プロ野球のトライアウトの結果が気になる人に向けて、2025年11月12日に開催された「エイブル トライアウト2025~挑め、その先へ~」の参加者別成績、合格者、球団のリストアップ情報、戦力外選手のその後を整理する。舞台となったのは広島のMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島。日本プロ野球選手会の開催報告によると、投手28人、野手10人の計38人が参加し、NPB12球団をはじめ国内外の球団や社会人クラブのスカウト陣が視察した。
2026年10月現在、2025年の結果を振り返るうえで重要なのは、当日の成績と、その後に実際に結ばれた契約を分けて考えることだ。渡部健人の本塁打、松山竜平の3安打、森木大智の最速149キロ、小野泰己の最速156キロなど見どころは多かった。一方、NPB球団との契約に至った選手は限られ、育成契約から再出発するケースも目立った。
【結果速報】プロ野球トライアウト2025の合格者とリストアップ情報

2025年の合同トライアウトは11月12日、マツダスタジアムで開催された。前年まで日本野球機構(NPB)と選手会が共同で実施してきた形式から変わり、2025年は日本プロ野球選手会が主催。選手の再挑戦を支援する場として開催された。
日本プロ野球選手会の開催報告によると、当日は国内外のプロ球団や社会人クラブなどから計114人のスカウト陣が視察し、観客は4,863人に達した。参加者はシート打撃形式で実力をアピールし、球速、制球力、打球の質、守備や走塁などを披露した。
2025年の結果で、特に注目すべきなのは、トライアウト後にNPB球団との契約が発表された次の3人だ。
- 福田俊:日本ハムと育成契約を結び、再出発の機会を得た。
- 川原田純平:11月18日に巨人との育成契約が発表された。
- 高橋礼:12月16日に西武との育成契約が発表された。
この3人はいずれも育成契約であり、トライアウトを経て即座に支配下登録を獲得したわけではない。NPBでプレーする道をつかんだことと、1軍で出場できる支配下選手になることは、別の段階として捉える必要がある。
なお、トライアウトにはドラフト会議のような一律の「合格発表」があるわけではない。球団ごとに獲得の判断や契約交渉が進むため、ニュースで「合格者」と紹介される場合は、原則として実際に契約が決まった選手を指す。球団内でのリストアップや調査対象者の全容が、公式の一覧として公表されるとも限らない。
【全38選手】トライアウト2025の投手・打者成績一覧
2025年の参加者別結果を、当日の成績と球速を中心にまとめた。投手については、対戦した打者の打席結果を記載している。野手については本人の打席結果を掲載した。球速は当日報道などで整理された最速値で、野手には該当しないため「―」としている。
一覧を確認するときは、安打や三振の数だけでなく、投手なら球速や変化球の質、野手なら打球の強さや選球眼なども合わせて見ることが大切だ。シート打撃は通常の公式戦と条件が異なるため、この表だけで選手の能力や契約の可能性を断定することはできない。
| 選手名・前所属 | 区分 | 当日の主な結果 | 最速 |
|---|---|---|---|
| 鈴木勇斗(阪神) | 投手 | 四球、四球、一飛 | 142km |
| 佐藤蓮(阪神) | 投手 | 死球、三飛、三振 | 152km |
| 森木大智(阪神) | 投手 | 中安、四球、遊ゴロ | 149km |
| 野口恭佑(阪神) | 外野手 | 三ゴロ、三振、三ゴロ、四球、遊ゴロ、死球、三振、二飛 | ― |
| 笠谷俊介(DeNA) | 投手 | 四球、三振、四球 | 143km |
| 徳山壮磨(DeNA) | 投手 | 三ゴロ、三ゴロ、四球 | 148km |
| 今野瑠斗(DeNA) | 投手 | 三ゴロ、左飛、中安 | 145km |
| 鈴木蓮(DeNA) | 内野手 | 遊ゴロ、左飛、三併、右飛、四球、三振、四球、三振 | ― |
| 高橋礼(巨人) | 投手 | 中安、三併、左飛 | 131km |
| 鴨打瑛二(巨人) | 投手 | 二飛、中飛、四球 | 143km |
| 菊田翔友(中日) | 投手 | 二飛、四球、四球 | 147km |
| 赤塚健利(広島) | 投手 | 左安、遊ゴロ、二飛 | 140km |
| 小林樹斗(広島) | 投手 | 遊失、三振、中飛 | 145km |
| 松山竜平(広島) | 内野手・外野手 | 右安、三振、中安、四球、中飛、三振、中安、左飛 | ― |
| 中村健人(広島) | 外野手 | 左飛、三振、中飛、三ゴロ、一飛、死球、四球、遊失 | ― |
| 韮沢雄也(広島) | 内野手 | 左飛、左安、捕飛、三振、二ゴロ、中安、二ゴロ | ― |
| 山足達也(広島) | 内野手 | 中飛、三振、遊ゴロ、中安、二飛、投ゴロ、遊ゴロ | ― |
| 宇草孔基(広島) | 外野手 | 一ゴロ、三振、左飛、二飛、遊ゴロ、三飛、投ゴロ | ― |
| 山本大貴(ヤクルト) | 投手 | 左安、三振、三振 | 143km |
| 又吉克樹(ソフトバンク) | 投手 | 三飛、死球、二ゴロ | 140km |
| 田浦文丸(ソフトバンク) | 投手 | 投ゴロ、中安、遊ゴロ | 137km |
| 風間球打(ソフトバンク) | 投手 | 二ゴロ、遊ゴロ、四球 | 143km |
| 大城真乃(ソフトバンク) | 投手 | 三振、三振、三振 | 143km |
| 川原田純平(ソフトバンク) | 内野手 | 死球、左安、三振、四球、四球、遊ゴロ、四球、遊ゴロ | ― |
| 石川直也(日本ハム) | 投手 | 一ゴロ、左本、左飛 | 146km |
| 福田俊(日本ハム) | 投手 | 一直、三振、三振 | 144km |
| 中山晶量(日本ハム) | 投手 | 死球、左飛、三ゴロ | 143km |
| 井口和朋(オリックス) | 投手 | 四球、三振、二ゴロ | 146km |
| 小野泰己(オリックス) | 投手 | 投ゴロ、三直、左飛 | 156km |
| 宮森智志(楽天) | 投手 | 左飛、三振、中飛 | 151km |
| 田村伊知郎(西武) | 投手 | 三ゴロ、左飛、右飛 | 146km |
| 井上広輝(西武) | 投手 | 遊ゴロ、三振、捕飛 | 146km |
| 渡部健人(西武) | 内野手 | 左本、二飛、三ゴロ、四球、三振、三振、三直、中飛 | ― |
| 松原聖弥(西武) | 外野手 | 三振、中飛、四球、左飛、右安、二ゴロ、四球、右安 | ― |
| 西村天裕(ロッテ) | 投手 | 中飛、三振、左安 | 146km |
| 竹内龍臣(茨城アストロプラネッツ) | 投手 | 遊ゴロ、一ゴロ、右安 | 140km |
| 久保拓眞(堺シュライクス) | 投手 | 右安、二飛、遊ゴロ | 138km |
| 谷岡楓太(火の国サラマンダーズ) | 投手 | 左飛、中飛、一飛 | 141km |
この一覧は2025年11月12日のシート打撃結果を整理したものだ。参加予定者として名前が挙がったマレク・フルプは、けがのため当日不参加となった。日本プロ野球選手会の開催報告と日刊スポーツの当日速報では、実際に参加した38人を確認できる。
【注目選手】渡部健人の本塁打、松山竜平の3安打、森木大智の149キロ
2025年のトライアウトで目立ったのは、単に結果を残した選手だけではない。球団が選手を評価する際に注目しやすい、長打力、球威、持ち球の変化といった具体的な武器が見えた選手もいた。
渡部健人は第1打席で本塁打を放った。西武から戦力外通告を受けた内野手は、石川直也の145キロの直球を左越えのソロ本塁打にした。長打力という明確な武器を実戦形式で示した点は、この日の象徴的な場面の一つだった。
松山竜平は8打席で3安打を記録した。広島で長くプレーした当時40歳のベテランは、右前打や中前打などを放ち、打撃力をアピールした。日刊スポーツの当日速報でも3安打が大きく取り上げられた。年齢だけでなく、打撃技術や実戦での対応力が話題になった選手である。
森木大智は最速149キロを計測し、ツーシームも披露した。2021年ドラフト1位で阪神に入団した右腕は、速球の威力に加えて新しい球種もアピールした。トライアウトでは、過去の実績だけでなく、現在の状態や技術的な変化を示せるかも評価材料になる。
小野泰己は参加投手28人の中で最速となる156キロを記録した。オリックスの育成選手だった右腕は、速球の威力を示した。一方、球速が速いことと契約が決まることは同義ではない。制球力、変化球、故障歴、チームが必要とする役割などを総合的に判断する必要がある。
このほか、楽天を戦力外となった宮森智志は最速151キロを記録。評論家の関本四十四氏は、当日のプレーを振り返る中で宮森の投球を印象に残った選手の一人として挙げている。こうした評価は当日の注目度を示すものだが、契約の確約ではない点も押さえておきたい。
【合格率5.3%の現実】トライアウトの仕組みとリストアップ情報
プロ野球トライアウトの厳しさを説明する際、「合格率5.3%」という数字が紹介されることがある。ただし、これは歴代の参加者と契約者を集計した際に使われる目安であり、NPBが毎年一律に公表する固定の合格率ではない。対象期間や、NPB球団との契約、支配下登録、育成契約のどれを合格と数えるかによって数値は変わる。
2025年について、参加者38人のうちトライアウト後にNPB球団との契約が確認された3人を基準に計算すると、割合は約7.9%になる。これは2025年の契約実績を単純計算した数値であり、歴代合格率5.3%と矛盾するものではない。両者は集計対象と期間が異なるからだ。
また、トライアウトの内容を理解するうえで欠かせないのが、当日の評価とシーズンを通した評価の違いである。トライアウトでは限られた打席や投球で実力を示す必要があるが、球団はそれまでの1軍・2軍成績、球速や制球の推移、故障歴、年齢、守備位置、チーム編成なども検討材料にする。
例えば、速球が150キロを超えても制球が安定しなければ、実戦で起用するイメージを持ってもらいにくい。逆に、球速が突出していなくても、左打者への対応、変化球の精度、複数ポジションを守れる能力などが球団の補強ポイントに合えば、評価につながる可能性がある。
「トライアウトで打てなかったから不合格」「本塁打を打ったから合格」といった単純な判断はできない。シート打撃の結果は重要な材料の一つだが、採用を決める最終的な基準ではない。
加えて、ネット上で見かける「球団がリストアップした選手」という表現にも注意したい。リストアップは、編成担当者が獲得候補や調査対象として名前を挙げていることを意味する場合がある。しかし、全球団の内部リストが公開されるわけではなく、報道で名前が挙がったこと自体が契約内定を意味するものでもない。実際の契約発表と、関心を持たれているという情報は区別して読むべきだ。
【歴代合格者の再起事例】小澤怜史と宮地克彦に学ぶ復活の条件
トライアウトの歴代合格者を振り返ると、戦力外通告がプロ野球選手としての終着点とは限らないことがわかる。代表的な事例として知られるのが、小澤怜史と宮地克彦だ。ただし、両者の成功はトライアウトを受ければ誰でも復活できるという意味ではなく、限られた機会を契約や実績につなげたケースとして見る必要がある。
小澤怜史は2020年にソフトバンクを戦力外となり、トライアウトで3者連続三振を奪った。日大三島高から2015年ドラフト2位で入団した右腕は、故障の影響もあり育成契約を経験した後、現役続行を目指して再挑戦した。トライアウト後の2020年12月、ヤクルトとの育成契約が決まり、再びプロの舞台に立つ道をつかんだ。
小澤は2022年に支配下登録され、2024年には自己最多の40試合に登板。防御率2.55、11ホールドを記録し、トライアウトからの再起を実績で示した。しかし、2026年10月26日、ヤクルトは小澤に来季の契約を結ばない旨を通告したと発表している。再起の成功は一度契約をつかんで終わりではなく、その後も結果を出し続けなければならないプロ野球の厳しさを示す事例でもある。
宮地克彦は2003年オフに西武を戦力外となった後、入団テストやトライアウトを経てダイエーに加入した。移籍後に力を発揮し、2005年にはキャリアハイの成績を残してパ・リーグのベストナインに選出された。戦力外からの再起を果たした選手として「リストラの星」とも呼ばれた。
2人に共通するのは、トライアウト当日の結果だけでキャリアが決まったわけではないことだ。小澤は再契約後に支配下登録を勝ち取り、宮地は移籍後に結果を残した。トライアウトはあくまで入口であり、再びチャンスを得た後に何を示せるかが、その後のキャリアを左右する。
【戦力外選手のその後】NPB復帰だけではない2025年参加者の進路
トライアウトの結果を追う際、NPB球団への復帰だけを成功と考えると、選手たちのその後を正しく把握できない。2025年の参加者にも、NPBの育成契約、海外球団、ファームリーグ、独立リーグなど、さまざまな道があった。
例えば、田村伊知郎は韓国球界の斗山ベアーズへの入団が報じられた。松山竜平はオイシックス新潟アルビレックスBCに加わり、井口和朋、石川直也、宮森智志らにも同球団への加入が報じられた。NPBの1軍球団との契約とは異なるが、現役を続けて競技力を示す機会を得たケースである。
一方、引退を決断した選手もいる。2025年12月初旬の報道では、西村天裕、松原聖弥、中村健人、徳山壮磨、山足達也らの引退が伝えられた。風間球打も現役引退後、不動産関連の仕事に進むことが報じられている。選手によって決断の時期や次の進路は異なり、トライアウト終了時点ですべてが決まるわけではない。
トライアウト後の進路を整理するときは、次の3つを分けて確認したい。
- NPB球団との契約:支配下契約なのか育成契約なのか、契約発表の日付も含めて確認する。
- 野球を続ける別の舞台:独立リーグ、海外リーグ、社会人野球、ファームリーグなどへの移籍を確認する。
- 引退後の進路:球団職員、指導者、一般企業など、野球経験を生かす道や別の仕事への転身を確認する。
トライアウトで契約が決まらなかった選手も、別の球団による入団テストや独立リーグでのプレーを通じて、再び評価される可能性がある。反対に、契約を得ても支配下登録や1軍定着が保証されるわけではない。選手の現在地を知るには、トライアウト当日の成績に加えて、契約発表や本人・所属先の公表内容を継続して追う必要がある。
【プロの結論】トライアウトの結果は当日の数字と契約後の実績を分けて読む
2025年のトライアウトは、渡部健人の本塁打、松山竜平の3安打、森木大智の149キロ、小野泰己の156キロなど、選手それぞれの持ち味が見えた場となった。しかし、注目を集めたプレーと実際の契約結果が必ずしも一致するわけではない。
結果を正しく理解するための判断基準は、次の3点に集約できる。
- 当日の成績:打球の質、球速、制球力、変化球、選球眼など、実際に披露した能力を見る。
- 球団の補強ニーズ:選手の能力だけでなく、チームが求めるポジションや役割に合っているかを考える。
- 契約後の実績:育成契約から支配下登録へ進めたか、1軍で結果を残したかなど、その後の経過を確認する。
また、「合格率5.3%」という数字だけでトライアウトの価値を判断するのも適切ではない。NPB復帰という狭い目的に限れば厳しい競争だが、選手にとっては実戦で状態を見せ、球団や関係者に存在を知ってもらう機会にもなる。歴代の再起事例は、契約後に結果を出して初めて評価が積み上がることを示している。
【トライアウトの結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2025年のトライアウトの合格者は誰ですか?
A1:トライアウト後にNPB球団との契約が発表された主な選手は、福田俊、高橋礼、川原田純平の3人です。福田は日本ハム、高橋は西武、川原田は巨人と育成契約を結びました。契約発表の時期はそれぞれ異なり、いずれも育成契約です。
Q2:トライアウトの合格率は本当に5.3%ですか?
A2:5.3%は歴代の参加者数と契約者数を集計した際に紹介される目安の一つです。対象年度や、NPB契約・支配下契約・育成契約のどれを合格とするかによって数値は変わります。2025年は参加者38人に対してNPB球団との契約が確認された3人を基準にすると、約7.9%です。
Q3:トライアウトで本塁打や三振を記録すれば合格できますか?
A3:当日の成績は重要な評価材料ですが、それだけで契約が決まるわけではありません。球団はシーズン成績、故障歴、制球力、守備力、年齢、補強ポイントなども考慮します。渡部健人が本塁打を放ち、小野泰己が最速156キロを記録したことも、契約が自動的に決まることを意味するものではありません。
Q4:トライアウト後にNPB以外でプレーを続けることはできますか?
A4:可能です。独立リーグ、社会人野球、海外リーグ、ファームリーグなど、現役を続ける選択肢があります。2025年の参加者にも韓国球界やオイシックス新潟アルビレックスBCなどへの進路が報じられた選手がいます。
Q5:トライアウトのリストアップ情報はどこまで公表されますか?
A5:球団が内部で調査対象や獲得候補として挙げた選手の全リストが公表されるとは限りません。報道で関心が伝えられた場合でも、契約が決まったこととは別です。確定した進路を把握するには、球団の契約発表や選手会・所属先の公表内容を確認が必要です。
まとめ:2026年に振り返るトライアウト2025の結果と今後の見方
2025年のプロ野球12球団合同トライアウトは、11月12日にマツダスタジアムで開催され、38人が参加した。渡部健人の本塁打、松山竜平の3安打、森木大智の149キロ、小野泰己の156キロなど、選手の持ち味が表れた一方、NPB球団との契約に至った選手は限られ、育成契約からの再挑戦が中心となった。
歴代の小澤怜史や宮地克彦の事例は、戦力外通告を受けた選手にも再起の道が残されていることを示す。ただし、契約を得ることと、1軍で長く活躍することは別の課題だ。小澤のように再起後に実績を積み上げた選手であっても、その後の契約が保証されるわけではない。
トライアウトの結果を調べるときは、参加者別成績、NPB球団との契約、リストアップ報道、移籍先、引退後の進路を切り分けて確認したい。当日の数字だけで選手の将来を決めつけず、その後の契約やプレー実績まで追うことが、戦力外選手の挑戦とプロ野球の厳しさを理解するための確かな判断基準となる。