坂本花織のフリーは、2026年のミラノ・コルティナ五輪で147.67点を記録し、女子シングルの銀メダル獲得につながった。そして、現役最後の大会となった世界選手権2026では158.97点をマーク。自己ベストを更新する演技で金メダルを獲得し、日本女子のフィギュアスケート史に新たな記録を刻んだ。
使用曲は、エディット・ピアフの名曲を軸にした「バラ色の人生」「愛の讃歌」「水に流して」の3曲構成。五輪では金メダルに1.89点届かなかった一方、世界選手権では技術点80.87点、演技構成点78.10点という高得点を獲得した。2026年5月には現役引退を正式に発表し、今後は指導者として歩む意向を明らかにしている。
【2026年最新】坂本花織のフリー得点は五輪147.67点、世界選手権158.97点

2025-26シーズンの坂本花織は、ミラノ・コルティナ五輪と世界選手権という2つの大舞台で、異なる結果と印象的な演技を残した。五輪では銀メダル、世界選手権では自己ベスト更新と優勝を達成している。
国際スケート連盟(ISU)の公式リザルトによると、五輪の女子シングル・フリーは147.67点で2位。3月の世界選手権では158.97点で1位となり、フリーだけで11.30点の差が生まれた。
世界選手権の158.97点は、坂本自身のフリー歴代最高得点だ。ショートプログラムでも79.31点を獲得して1位となり、合計238.28点で優勝した。フリー単独の高得点だけでなく、ショートとフリーの両方をそろえたことが圧倒的な結果につながった。
この世界選手権は、坂本にとって現役最後の競技会でもあった。五輪で残った悔しさを抱えながら、最後の大会で自己ベストを更新して頂点に立ったことは、2026年の競技人生を振り返るうえで欠かせないポイントだ。
【得点比較】五輪と世界選手権で何が変わった?
両大会の公式採点を比較すると、フリーの得点差は技術点と演技構成点の両方に表れている。特に注目したいのは、世界選手権で技術点が80点台に達したことだ。
| 比較項目 | ミラノ・コルティナ五輪 | 世界選手権2026 | 差 |
|---|---|---|---|
| 開催日 | 2026年2月19日 | 2026年3月27日 | 約5週間 |
| ショートプログラム | 77.23点 | 79.31点 | +2.08点 |
| フリー | 147.67点 | 158.97点 | +11.30点 |
| フリー技術点(TES) | 72.83点 | 80.87点 | +8.04点 |
| フリー演技構成点(PCS) | 74.84点 | 78.10点 | +3.26点 |
| 合計得点 | 224.90点 | 238.28点 | +13.38点 |
| 最終順位 | 銀メダル | 金メダル | 優勝 |
出典:国際スケート連盟(ISU)公式リザルト。得点差は世界選手権の得点から五輪の得点を引いた数値。
最も大きな違いは、技術点が8.04点上昇したことだ。世界選手権のフリーでは、ジャンプの着氷や実施、スピン、ステップなどの要素を通じて技術点80.87点を獲得。演技構成点も78.10点まで伸ばした。
一方、五輪のフリーも減点はゼロだった。147.67点という得点は、演技全体が大きく崩れたことを意味しない。技術点72.83点、演技構成点74.84点という内訳からも、安定した滑りと表現力を維持しながら、ジャンプの得点をさらに積み上げる余地があったことが読み取れる。
なお、競技会ごとの採点は、その日の実施内容や審判の評価によって変動する。11.30点の差を、そのまま選手の実力が短期間で急上昇した結果とみなすのではなく、ジャンプの出来栄えと演技全体の評価が重なった結果として捉える必要がある。
【使用曲と演技構成】「愛の讃歌」を軸にした3曲のメドレー
坂本花織の2025-26シーズンのフリーは、エディット・ピアフの名曲を中心に構成されたプログラムだ。ISUの選手プロフィールには、次の3曲が使用曲として登録されている。
- 「バラ色の人生」(La vie en rose)
- 「愛の讃歌」(Hymne à l'amour)
- 「水に流して」(Non, je ne regrette rien)
ISUの登録では、パトリシア・カースとエディット・ピアフの名前が各曲の演奏・歌唱表記に記載されている。3曲をつないだ構成は、恋愛や人生への思いを感じさせる音楽から、力強い決意を想起させる楽曲へと展開していく。
中でも「愛の讃歌」は、このプログラムを象徴する楽曲として注目された。坂本にとって2025-26シーズンは現役最後のシーズンであり、長い競技人生の締めくくりにふさわしい音楽選びだった。
振付は、ISUのプロフィールに記載されたマリー=フランス・デュブレイユらの振付師陣と結びつくプログラムだ。坂本の持ち味であるスピード感のある滑り、力強いエッジワーク、全身を大きく使った動きが、壮大な音楽と組み合わさっている。
演技構成の面では、冒頭からジャンプを着実に決め、ステップやコレオシークエンスで音楽の盛り上がりを表現し、後半のジャンプとスピンにつなげる流れが特徴だ。ジャンプだけを並べた構成ではなく、リンク全体を使った移動と音楽への反応が、プログラムの印象を支えている。
ただし、使用曲の印象だけで得点が決まるわけではない。競技採点ではジャンプやスピンなどの技術要素、各要素の出来栄え、構成・表現・スケーティング技術の評価が点数に反映される。坂本のプログラムは、音楽表現と高い技術水準を両立させた点に見どころがある。
【五輪で銀メダルの理由】金メダルとの差はわずか1.89点
2026年2月19日の五輪女子シングル・フリーでは、坂本花織は147.67点を獲得して2位となった。優勝したアリサ・リュウは150.20点で、フリーだけを比べると坂本を2.53点上回った。
ショートプログラム終了時点では、坂本が77.23点で2位、リュウが76.59点で3位だった。坂本はリュウを0.64点上回っていたが、フリーではリュウが150.20点、坂本が147.67点となり、最終合計はリュウ226.79点、坂本224.90点。金メダルとの差はわずか1.89点だった。
五輪の採点を詳しく見ると、リュウの技術点は77.74点、坂本は72.83点だった。一方、演技構成点では坂本が74.84点、リュウが72.46点と坂本が上回っている。つまり、坂本はスケーティングや表現の面で高く評価されたものの、技術点の差を埋め切れなかった。
テレビ東京の競技報道では、坂本は冒頭のダブルアクセル、トリプルフリップ、トリプルルッツ+ダブルトウループを着実に成功させた一方、後半のトリプルフリップを含むジャンプ構成で得点を伸ばし切れなかったと伝えられている。
五輪のフリーは、金メダルを逃したからといって、演技全体が低く評価されたわけではない。演技構成点74.84点という数字は、坂本のスケーティングと表現力が高い水準にあったことを示している。最終順位を分けたのは、技術要素で積み上げた点数の差だった。
それでも、五輪の銀メダルは坂本のキャリアにとって大きな成果だ。北京2022では個人戦で銅メダルを獲得し、ミラノ・コルティナでは個人戦の銀メダルに到達した。金メダルへの悔しさと、最後の五輪で再び表彰台に立った実績は、両立して評価されるべきものだ。
【世界選手権優勝の経緯】自己ベスト158.97点を生んだ演技
五輪から約5週間後の2026年3月、チェコ・プラハで開催された世界選手権で、坂本花織は最後の競技会に臨んだ。3月25日のショートプログラムで79.31点を獲得して首位に立つと、3月27日のフリーでも158.97点を記録し、合計238.28点で優勝した。
ISUの公式採点表によると、世界選手権のフリーは技術点80.87点、演技構成点78.10点、減点0点。12の要素を実施し、ジャンプでは冒頭のダブルアクセルに続いてトリプルフリップ、トリプルルッツ+ダブルトウループを成功させた。その後もトリプルサルコウ、後半のトリプルフリップ+トリプルトウループ、ダブルアクセル+トリプルトウループ+ダブルトウループなどを組み込んだ構成で得点を重ねた。
特筆すべきは、ジャンプだけでなく演技構成点も高かったことだ。構成では9点台後半を中心に高い評価を得て、スケーティング技術の評価は78.10点の構成点を支えた。技術点80.87点と構成点78.10点を合わせ、自己ベストの158.97点に到達した。
この優勝によって、坂本は世界選手権で通算4度目の女子シングル優勝を果たした。2022年、2023年、2024年と3連覇を達成し、2025年は2位。そして2026年に再び頂点へ返り咲いた。日本勢として最多となる4度目の世界選手権制覇を、現役最後の大会で成し遂げたことになる。
五輪から世界選手権までの期間は長くない。それでもフリーの得点は147.67点から158.97点へ伸びた。世界選手権では、ジャンプの実施と出来栄えが技術点に反映されただけでなく、音楽と一体になった演技全体も高く評価された。五輪での悔しさを、最後の競技会で結果に結びつけた形だ。
【引退後の現在】2026年5月に会見、今後は指導者の道へ
坂本花織は、2025-26シーズンを最後に競技生活から退く意向を以前から示していた。2026年5月13日には、所属先のシスメックスが神戸市内で引退会見を実施したと発表。世界選手権の優勝が、現役最後の大会の結果となった。
シスメックスの公式発表によると、坂本は会見で、21年4カ月にわたるスケート人生を振り返り、現役生活について「青春そのものだった」と語った。今後については、生まれ育った神戸で子どもたちがスケートを好きになれるよう、コーチとして競技の楽しさを伝えていく意向を示している。
引退後の活動を考えるうえで重要なのは、坂本が世界選手権4度優勝という実績を持ち、五輪にも3大会連続で出場した経験を備えていることだ。スピードを生かした滑り、ジャンプの組み立て、国際大会での調整、プレッシャーへの対応など、トップ選手として培った知識は後進の育成に生かせる可能性がある。
2026年10月現在、競技者としての坂本の現役生活は終了している。今後の活動の中心として本人が示したのは指導者への道だ。引退後の具体的な指導体制や活動日程については、所属先などから発表される情報が判断材料になる。
坂本の引退は、単に大会から姿を消すという意味ではない。日本女子フィギュアスケートを長年けん引してきた選手が、経験を次の世代に引き継ぐ段階へ移るということでもある。現役最後の世界選手権で自己ベストを更新した事実は、次世代に伝えられる競技経験の厚みを象徴している。
【プロの結論】坂本花織のフリーを評価する3つの基準
坂本花織のフリーを正しく評価するには、最終順位だけでなく、技術点、演技構成点、そして大会ごとの演技内容を分けて見る必要がある。2026年の五輪と世界選手権は、その違いが明確に表れた2つの大会だった。
第一に、得点差を技術点と構成点に分けること。五輪では演技構成点74.84点と高い評価を受けた一方、技術点は72.83点だった。世界選手権では技術点80.87点、構成点78.10点に伸び、合計158.97点に到達した。点数の伸びを理解するには、この内訳を見ることが欠かせない。
第二に、使用曲と演技の完成度を混同しないこと。「愛の讃歌」を含む3曲のメドレーは、坂本の最後のシーズンを象徴する選曲だった。しかし、音楽の印象だけで採点結果が決まるわけではない。ジャンプの成功、出来栄え、スピン、ステップ、演技全体の構成が一体となって得点を生み出す。
第三に、五輪の銀メダルと世界選手権の金メダルを単純な優劣で比べないこと。五輪では金メダルとの差が1.89点という僅差だった。世界選手権では自己ベストを更新し、現役最後の大会で優勝した。大会の位置づけも演技当日の条件も異なるため、2つの結果を通じて坂本の競技力とキャリアの到達点を読み取るのが適切だ。
坂本花織のフリーが記憶に残る理由は、158.97点という数字だけではない。五輪で金メダルに届かなかった悔しさを抱えながらも、最後の世界選手権で自己ベストを更新し、世界の頂点で競技人生を締めくくった。その過程こそが、2026年の坂本花織を語るうえで最も重要な視点だ。
【坂本花織フリー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:坂本花織の2026年五輪フリーの得点は何点?
A1:147.67点です。2026年2月19日のミラノ・コルティナ五輪女子シングル・フリーで2位となり、ショートプログラムとの合計224.90点で銀メダルを獲得しました。
Q2:坂本花織のフリー歴代自己ベストは何点?
A2:2026年3月27日の世界選手権で記録した158.97点です。技術点80.87点、演技構成点78.10点、減点0点で、フリー1位となりました。
Q3:坂本花織のフリーの使用曲は「愛の讃歌」だけ?
A3:「愛の讃歌」だけではありません。「バラ色の人生」「愛の讃歌」「水に流して」の3曲を組み合わせたメドレーです。いずれもエディット・ピアフの名曲として知られています。
Q4:五輪で銀メダルになった理由は?
A4:坂本はフリー147.67点で2位となり、金メダルのアリサ・リュウが150.20点を獲得しました。坂本は演技構成点ではリュウを上回りましたが、技術点で差がつき、合計224.90点でリュウの226.79点に1.89点届きませんでした。
Q5:坂本花織は2026年現在、引退した?
A5:はい。2025-26シーズンを最後に競技生活を終え、2026年5月13日に引退会見を行いました。今後は神戸を拠点に、コーチとして子どもたちにスケートの楽しさを伝える意向を示しています。
まとめ:坂本花織の最後のフリーは自己ベスト更新と世界選手権優勝で幕を閉じた
2026年の坂本花織のフリーは、五輪の147.67点と世界選手権の158.97点という2つの数字に集約される。五輪では金メダルに1.89点届かなかったものの、銀メダルを獲得。世界選手権では技術点80.87点、演技構成点78.10点を記録し、自己ベストを更新して優勝した。
使用曲「バラ色の人生」「愛の讃歌」「水に流して」は、現役最後のシーズンを象徴する構成だった。高いスケーティング技術と表現力を備えた坂本は、五輪の悔しさを最後の世界選手権で結果につなげ、日本勢最多となる4度目の世界選手権優勝で競技人生を締めくくった。
2026年10月現在、坂本は競技者としてのキャリアを終え、指導者として次の段階へ進もうとしている。得点だけでなく、演技の完成度、最後のシーズンの歩み、そして次世代へ経験を引き継ぐ未来まで含めて振り返ることが、坂本花織のフリーを理解する最も確かな視点となる。