2026年現在の渡部健人は、岡山県の企業・三協クリエイトが運営する社会人硬式野球チームでプレーしている。チーム名は「三協グランハーツ」。2026年2月に発足した新チームで、渡部は創設メンバーの一人として加入した。
野球専門メディア「Full-Count」の2026年2月25日付報道によると、渡部は2025年オフに西武から戦力外通告を受け、トライアウト後もNPB球団などから連絡がない状況で現役続行の道を探していた。そこで声をかけたのが、元西武の松本直晃だった。
現在の立場を整理すると、次のようになる。
- 所属: 三協クリエイトが運営する社会人硬式野球チーム「三協グランハーツ」
- ポジション: 内野手
- 背番号: 1(2026年2月の入団会見時)
- 目標: 社会人野球で結果を残し、再びNPBに戻ること
ここで押さえておきたいのは、渡部が現役引退を発表したわけではないという点だ。プロ野球選手としての契約は終了したが、野球選手としてのキャリアは続いている。
また、三協クリエイトへの加入は、単なる就職や野球からの撤退ではない。Full-Countの取材記事では、渡部が同社の正社員として雇用され、仕事と野球を両立しながら競技を続ける方針が紹介されている。
【時系列】西武ドラフト1位から戦力外、社会人野球加入まで

渡部健人のキャリアを理解するには、プロ入り時の期待、1軍で結果を残した時期、成績が伸び悩んだ時期を分けて見る必要がある。
2020年ドラフト・2021年プロ入り
西武からドラフト1位指名
桐蔭横浜大学から埼玉西武ライオンズに入団。右の長距離打者候補として期待され、プロ1年目の2021年には1軍で初本塁打を記録した。
2023年
1軍57試合、6本塁打
1軍で自己最多の57試合に出場。打率.214、25打点を記録し、長打力を示した。一方、1軍に定着して主力になるには、さらなる成績向上が必要だった。
2025年10月1日
西武から戦力外通告
球団から来季の契約を結ばないと通告された。2025年の1軍出場はなく、2軍では54試合、打率.201、4本塁打だった。
2025年11月12日
合同トライアウトで本塁打
第1打席で左翼スタンドへの本塁打を放ち、長打力をアピール。しかし、その後もプロ球団などからのオファーを得られなかった。
2026年2月23日
三協クリエイトで再出発
岡山市で行われた新チームの記者会見に参加。社会人野球で結果を残し、再びプロの舞台を目指す道を選んだ。
この流れを一覧表にすると、渡部のキャリアにおける転換点が見えてくる。
この年表で重要なのは、2023年に1軍で一定の実績を残していることだ。プロでまったく通用しなかった選手ではなく、長打力を示す機会がありながら、継続的な出場と結果につなげられなかった選手という見方が適切だろう。
【成績と年俸】身長・体重、プロ通算成績から見える実力
日本野球機構(NPB)の公式年度別成績によると、渡部健人は1998年12月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の右投右打の内野手だ。2026年10月25日時点では27歳である。
渡部健人のプロフィール
生年月日
1998年12月26日
出身地
神奈川県横浜市
身長・体重
176cm・115kg
投打
右投右打
出身大学
桐蔭横浜大学
ドラフト
2020年・西武1位
身長176cm、体重115kgという体格は、渡部の大きな武器であるパワーを印象づける要素だ。西武入団時には、中村剛也の後継者候補として「おかわり君2世」と呼ばれたこともある。
ただし、体格や長打力への期待が、そのまま1軍での安定した成績を保証するわけではない。プロの世界では、対戦投手への対応力や打席ごとの再現性、出場機会を継続して得られるかどうかも問われる。
NPBでの年度別成績
NPB公式記録に基づく1軍打撃成績は次のとおりだ。
プロ通算出場74試合
通算本塁打7本
通算打率.178
通算打点27打点
出典:日本野球機構(NPB)個人年度別成績。2025年は1軍出場なし。
年度ごとの数字を確認すると、成績の変化がより明確になる。
- 2021年: 6試合、打率.063、1本塁打、2打点
- 2022年: 1軍出場なし
- 2023年: 57試合、打率.214、6本塁打、25打点
- 2024年: 11試合、打率.030、0本塁打
- 2025年: 1軍出場なし
最も結果を残したのは2023年だ。57試合で6本塁打を記録したことは、1軍でも長打力を発揮できる可能性を示している。一方、2024年は出場11試合で安打が1本にとどまり、2025年は1軍に出場できなかった。
2軍でも、2025年は54試合で打率.201、4本塁打という成績だった。1軍復帰に向けて打撃の状態を上げていた時期もあったが、シーズンを通じて安定した結果を残すまでには至らなかった。
渡部健人の年俸はいくらだった?
野球専門の選手データサイトなどで紹介されている契約更改情報では、西武在籍最終年の2025年の推定年俸は1,250万円とされている。
| 年度 | 推定年俸 |
|---|---|
| 2021年 | 1,600万円 |
| 2022年 | 1,600万円 |
| 2023年 | 1,200万円 |
| 2024年 | 1,600万円 |
| 2025年 | 1,250万円 |
※公開された報道などに基づく推定額であり、本人の実際の手取り額を示すものではない。
年俸は2023年に下がり、2024年に上昇したものの、2025年には再び減少している。こうした推移からも、球団からの期待とシーズンごとの評価が必ずしも一致していなかったことがうかがえる。
なお、三協クリエイト加入後の給与条件は公表報道で具体的に示されていないため、プロ在籍時の年俸と同水準であるとは判断できない。
【戦力外理由】なぜドラフト1位の渡部健人は西武を離れたのか
2025年10月1日、埼玉西武ライオンズは渡部健人に来季の契約を結ばないことを通告したと発表した。日刊スポーツは、渡部が2023年のけが以降、状態をつかみきれない時期が続いたことや、2025年に足の肉離れを発症したことを報じている。
戦力外の背景を考える際には、球団が明示した単一の理由と、公開された成績から読み取れる事情を区別する必要がある。少なくとも、報道からは次の3点が浮かび上がる。
1.1軍での成績が安定しなかった
2023年は6本塁打、25打点を記録したが、翌2024年は打率.030、0本塁打に終わった。2025年は1軍出場がなく、2軍でも打率.201だった。
ドラフト1位の長距離打者に対しては、将来的な主軸としての成長も期待される。1年だけ結果を出すのではなく、複数年にわたって1軍で出場機会を確保できるかが、評価を左右したと考えられる。
2.けがが出場機会を狭めた
日刊スポーツの報道によれば、渡部は2023年のけがから状態をつかみきれない時期が続き、2025年にも足の肉離れを発症した。
打撃の状態が上向いたタイミングで離脱を余儀なくされれば、首脳陣へのアピール機会も限られる。シーズン終盤には2軍で1試合4安打を記録したものの、年間を通じた実績を覆すには至らなかった。
3.長打力を継続的な結果に変える必要があった
渡部の強みは、プロ初本塁打を記録した2021年から一貫して長打力にあった。しかし、1軍通算成績は74試合、打率.178、7本塁打である。
球団が選手を評価する際には、将来性だけでなく、限られた登録枠や出場機会の中で、どれだけ安定して戦力になれるかが問われる。
戦力外通告を受けた理由を、体格や性格などの憶測に結びつけるのは適切ではない。公表された成績、けがによる影響、1軍出場の減少を合わせて見ると、長打力への期待を継続的な1軍成績に結びつけられなかったことが、キャリアの転換点になったと考えられる。
【トライアウト結果】本塁打を放ってもオファーにつながらなかった理由
2025年11月12日、マツダスタジアムで開催された12球団合同トライアウト。渡部は第1打席から豪快な本塁打を放ち、長打力を強く印象づけた。
日刊スポーツによると、相手は日本ハムの石川直也。カウント2ストライク2ボールから直球を捉え、左翼スタンドへ打球を運んだ。渡部は8打席で1本塁打、1四球という結果を残し、試合後には悔いなくプレーできたという趣旨のコメントを残している。
当日のトライアウトは、戦力外となった選手が新たな所属先を探す重要な機会だった。Full-Countの報道では、渡部は参加選手の中で唯一の本塁打を記録したとされる。
それでも、ホームランを1本打ったからといって、移籍先が自動的に決まるわけではない。
なぜ本塁打が評価されても契約が決まらなかったのか
トライアウトは、限られた打席や投球機会で選手の能力を確認する場だ。一方、球団側が新たな選手を獲得する際には、トライアウト当日の結果だけでなく、過去の成績や守備、けがの状況、チーム編成との相性なども検討材料になる。
渡部の場合、長打力を示すことには成功したが、1軍での直近の成績は厳しいものだった。トライアウトでの本塁打は能力の一端を示したものの、シーズンを通じて結果を残せるかという疑問を完全に解消するものではなかったと考えられる。
トライアウト後のオファー状況
Full-Countが2026年2月に報じた渡部への取材によると、トライアウト後、NPB球団から連絡はなかった。渡部は12月から母校の桐蔭横浜大学で練習を続けたが、独立リーグや海外のプロチームからも連絡がなかったという。
本人は、トライアウトでアピールできたという手応えがあっただけに、想定していた状況との違いに悔しさを感じていた。
ここで重要なのは、トライアウトの結果が無意味だったということではない点だ。本塁打によって長打力を示したことは事実であり、その後も練習を続けたことで、野球を続ける選択肢を模索できた。
ただし、トライアウトでの好結果と、プロ契約を獲得できることは別問題だった。渡部にとって、そこから先の進路を考え直す必要が生まれたのである。
【三協グランハーツでの挑戦】松本直晃との縁と現役引退後の進路
トライアウト後、渡部の野球人生を再び動かしたのは、元西武の松本直晃からの電話だった。
松本は2019年まで西武でプレーした投手で、2026年に発足した三協クリエイトのヘッド兼投手コーチを務める。Full-Countの取材記事によれば、松本から野球を続ける意思があるか尋ねられたことが、渡部にとって新天地を検討するきっかけになった。
当初、渡部はNPB以外でプレーすることを具体的に想定していなかったという。ほかの球団からオファーが届く可能性も考え、すぐには返事をせず、約1週間考える時間をもらったと報じられている。
最終的に渡部は、野球を続けられる機会を得たことを受け止め、社会人野球から再びプロを目指す道を選んだ。
三協クリエイトとはどんなチームなのか
三協クリエイトは岡山市北区に本社を置く総合建設業の企業だ。同社が立ち上げた社会人硬式野球チームが三協グランハーツである。
2026年2月23日の記者会見について伝えたRSK山陽放送の報道では、チームは約30人の選手で始動し、監督には元中日などでプレーした亀澤恭平が就任した。
渡部のほかにも、元楽天の引地秀一郎や元中日の福島章太ら、プロ経験を持つ選手が加入している。
チームが掲げた目標は、創部1年目から都市対抗野球大会や社会人野球日本選手権への出場を目指すこと。新規参入のチームとして、競技力を高めながら実績を積み上げていく段階にある。
渡部は入団会見で、1年目から全国大会への出場を目指す意欲を示したと報じられている。
2026年の成績はどうなっている?
2026年の社会人野球での成績については、一球速報.comの渡部健人選手プロフィールに掲載された集計で、4試合、19打数7安打、打率.368、2本塁打、11打点という数字が確認できる。
ただし、同サイトは掲載データが全試合を全体するものではないと注記している。この数字だけでシーズン全体の成績や、チーム内での評価を断定することはできない。
それでも、社会人野球の新天地で本塁打と打点を記録していることは、長打力を生かして再起を図るうえで注目すべき材料だ。
現役引退後ではなく、現役続行のための進路
渡部の現在の進路を「現役引退後」と表現するのは正確ではない。2026年は社会人野球の選手として競技を続けており、本人もNPB復帰への意欲を示している。
Full-Countによると、渡部は三協クリエイトの正社員として働きながら、野球を続ける予定だ。仕事と競技を両立できる環境を得たことで、試合で結果を残しながら再びプロ球団にアピールする道が開けた。
プロ野球の契約が切れたあとも、社会人野球や独立リーグなどで競技を続ける選択肢はある。渡部の場合は、企業チームという新たな所属先を得て、競技生活を継続する形になった。
今後の注目点は、単発の本塁打だけではなく、出場を重ねて安定した打撃成績を残せるかどうかだ。社会人野球で実績を積み、再びNPB球団の評価を得られるかが焦点となる。
【プロの結論】渡部健人の再起を判断する3つのポイント
渡部健人のキャリアを振り返ると、ドラフト1位という肩書きだけで選手の将来が決まるわけではないことがわかる。
プロ入り当初は長距離打者として期待され、2023年には1軍で6本塁打を記録した。しかし、その後はけがや成績の伸び悩みもあり、継続的に1軍でプレーする機会を得られなかった。
一方、トライアウトでは本塁打を放ち、2026年には社会人野球で再スタートを切っている。過去の成績だけで現在の可能性を判断するのではなく、新天地での結果にも目を向ける必要がある。
渡部の今後を考えるうえで、特に注目したいのは次の3点だ。
- 打撃の再現性: 本塁打を打てる力に加え、安打や打点を継続して積み重ねられるか。
- 出場機会と健康状態: けがの影響を抑え、シーズンを通じて試合に出場できるか。
- チームへの貢献: 新設チームの中で中心打者として結果を残し、全国大会出場という目標に貢献できるか。
これらの評価軸は、NPB復帰を目指す選手だけでなく、社会人野球でのキャリアを見守るファンにとっても重要だ。
【渡部健人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:渡部健人は2026年現在、どこでプレーしていますか?
A1:三協クリエイトが運営する社会人硬式野球チーム「三協グランハーツ」に所属しています。2026年2月に発足したチームの創設メンバーとして、現役を続けています。
Q2:渡部健人が西武から戦力外になった理由は何ですか?
A2:球団が公表した単一の理由があるわけではありません。報道では、2023年以降のけがの影響、1軍での成績の伸び悩み、2025年の1軍出場なしなどが伝えられています。2023年には6本塁打を記録しましたが、その後は安定した結果を残せませんでした。
Q3:渡部健人はトライアウトでホームランを打ったのに、なぜプロに戻れなかったのですか?
A3:2025年11月12日の合同トライアウトで本塁打を放ちましたが、その後、NPB球団や独立リーグ、海外のプロチームから連絡はなかったと報じられています。トライアウト当日の結果だけでなく、過去の成績やチーム編成なども獲得判断に影響すると考えられます。
まとめ:渡部健人の現在と今後の動向
渡部健人は、西武のドラフト1位としてプロ入りし、2023年には1軍で6本塁打を記録した。しかし、けがや成績の伸び悩みもあり、2025年10月に戦力外通告を受けた。
その後、合同トライアウトで本塁打を放ったものの、プロ球団からのオファーは届かなかった。母校の桐蔭横浜大学で練習を続ける中、元西武の松本直晃から声をかけられ、2026年に三協クリエイトの社会人硬式野球チームへ加入した。
2026年現在、渡部健人は現役引退ではなく、社会人野球からNPB復帰を目指す道を選んでいる。
今後の焦点は、持ち味である長打力を安定した成績に結びつけられるかどうかだ。ドラフト1位という過去の実績だけでも、トライアウトの本塁打1本だけでもなく、新天地で積み重ねる結果が、次のキャリアを左右することになる。