元大関・栃ノ心は、2023年5月に現役を引退した後、どのような人生を歩んでいるのでしょうか。2018年の幕内最高優勝と大関昇進で相撲ファンを沸かせた栃ノ心は、2026年現在、ジョージア料理店の経営やワイン・はちみつの販売など、実業家として活動の幅を広げています。
大きな転機となったのは、右膝の重傷から復活した現役時代と、左肩のけがによって土俵を去る決断をした2023年です。さらに2026年2月24日には、東京都墨田区吾妻橋にジョージア料理レストラン「GEORGIAN HOUSE」をオープンしました。2026年10月の報道では、家族との暮らしや日本でのワイナリー構想も明らかになっています。引退理由の真相から店舗の評判、家族、今後の事業まで、これまでの経緯を整理します。
【栃ノ心の現在】2026年はジョージア料理店の経営と日本での新たな挑戦

栃ノ心剛史は1987年10月13日生まれ、ジョージア(旧称グルジア)のムツケタ出身です。本名は、日本相撲協会の公式プロフィールではレヴァニ・ゴルガゼと表記されています。報道などではレヴァン・ゴルガゼと表記されることもある人物です。
2023年5月19日に現役を引退した栃ノ心は、親方として相撲協会に残る道を選びませんでした。日本国籍を取得していなかったため、引退後は協会を離れ、現役時代から希望していた日本とジョージアをつなぐ活動へと軸足を移しています。
2026年10月12日付のスポーツ報知の記事を配信したライブドアニュースによると、栃ノ心は東京都内でトークショーを開催し、現役時代の経験や引退後の事業について語りました。本人は現役時代から約90キロ減量したことにも触れ、現在の生活について、仕事は現役時代より多いものの充実していると話しています。
2026年現在の主な活動は、次のとおりです。
- 東京都墨田区吾妻橋に開いたジョージア料理店「GEORGIAN HOUSE」の経営
- ジョージア産ワインやはちみつなどの販売事業
- ジョージア大使館での文化・スポーツ関連の顧問活動
- 日本国内でのワイナリー建設に向けた準備
- トークイベントなどを通じた相撲経験や母国の文化の紹介
なかでも注目されるのが、2026年2月24日にグランドオープンした「GEORGIAN HOUSE」です。料理を提供するだけでなく、ワインやはちみつ、ジョージアの特産品にも触れられる空間として開業しました。
加えて、2026年10月の報道では、千葉県内に購入した家で妻や子どもたちと暮らしながら、日本でワイナリーを造る構想を進めていることも紹介されています。栃ノ心の現在を理解するうえでは、単なる飲食店経営ではなく、故郷の食文化や農業を日本に伝える事業として捉えることが大切です。
【引退理由の真相】2023年5月19日、左肩のけがが決断を後押し
栃ノ心が引退したのは、2023年5月場所の6日目にあたる5月19日です。日本相撲協会が引退を発表し、当時35歳だった元大関は約17年間の力士生活に終止符を打ちました。
引退理由を理解するうえで欠かせないのが、2023年1月場所で負傷した左肩です。スポーツ報知や日刊スポーツなどの報道によると、栃ノ心は左肩の脱臼によって本来の力を発揮できなくなり、左腕に力が入らず、得意の左上手を取ることも難しい状態に陥っていました。
栃ノ心の相撲は、右四つから相手を組み止め、左上手を引いて寄り切る、あるいは上手投げを打つ形を得意としていました。左上手を確保できないことは、単に一つの技が使えなくなるという問題ではありません。相手の体勢を崩し、持ち前の怪力を生かすための攻めの起点を失うことを意味していました。
左肩の負傷後、栃ノ心は2023年3月場所で十両に陥落し、5勝10敗に終わりました。続く5月場所でも東十両5枚目で初日から5連敗。5日目の取組後に師匠の春日野親方と話し合い、引退を決断したと報じられています。
引退会見で栃ノ心は、自分の相撲が取れず、力も出ない状態になったことに加え、相撲を取ること自体が怖くなったと説明しました。ファンに本来の姿を見せられないことへの申し訳なさも、決断の背景にありました。
一方、左肩だけが突然引退を招いたわけではありません。2013年7月場所では右膝に大けがを負い、前十字靱帯損傷などによって長期休場を経験。三役経験者でありながら幕下55枚目まで番付を落とした過去があります。
その後、栃ノ心は懸命な稽古で復活し、大関にまで上り詰めました。しかし、右膝の大けがを乗り越えた経験があったからこそ、再び土俵に戻るだけではなく、実際に力を出せる状態で相撲を続けられるかどうかが、最後の判断基準になったと考えられます。
つまり、栃ノ心の引退理由は、左肩の負傷による直接的な戦力低下と、長年にわたるけがの蓄積、そして力士として納得できる相撲が取れなくなったことが重なった結果です。引退は不祥事などによるものではなく、本人が土俵での限界を判断した決断でした。
【2018年の初優勝から大関昇進へ】幕下転落を乗り越えた栃ノ心の経歴
栃ノ心の現役生活を象徴するのは、けがによる幕下転落からの復活と、2018年の飛躍です。恵まれた体格と怪力を武器にした力士でしたが、初めから順風満帆だったわけではありません。
2004年、相撲の本格的な稽古経験がほとんどない状態で世界ジュニア相撲選手権大会に出場し、3位に入賞したことが相撲との接点になりました。その後、柔道などの経験を経て角界入りを決め、2006年3月場所で初土俵を踏みました。春日野部屋に所属し、2008年には新入幕を果たしています。
2013年の右膝の負傷で幕下まで落ちたものの、2014年11月場所で再入幕。そこから着実に番付を戻し、2016年には関脇へ昇進しました。長期休場と番付降下を経験しながら、再び上位で戦える力を取り戻したことが、2018年の快進撃につながります。
2018年1月場所では、初日から白星を重ね、大関の高安や豪栄道、関脇の御嶽海らを破りました。14勝1敗という成績で幕内最高優勝を達成。ジョージア出身力士として初めて賜杯を手にし、平幕力士による優勝としても大きな話題になりました。
同年5月場所では13勝2敗を記録し、優勝こそ逃したものの、大関昇進の目安となる三役での好成績を積み重ねました。日本相撲協会は5月30日に大関昇進を正式決定。栃ノ心は「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進」と口上を述べ、同年7月場所から新大関として土俵に上がりました。
主な経歴を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 出来事 | 主な意味・実績 |
|---|---|---|
| 2006年3月 | 初土俵 | 春日野部屋から角界入り |
| 2008年5月 | 新入幕 | 幕内力士として活躍を開始 |
| 2013年7月 | 右膝に大けが | 長期休場を経て幕下55枚目まで降下 |
| 2014年11月 | 再入幕 | けがによる低迷から復活 |
| 2018年1月 | 幕内最高優勝 | 14勝1敗で初優勝 |
| 2018年5月 | 大関昇進が正式決定 | 13勝2敗の好成績を経て昇進 |
| 2018年7月 | 新大関 | 最高位は東大関 |
| 2023年1月 | 左肩を負傷 | 得意の左上手を取ることが難しくなる |
| 2023年5月19日 | 現役引退 | 日本相撲協会を離れ、第二の人生へ |
| 2026年2月24日 | GEORGIAN HOUSE開店 | ジョージア料理と特産品を紹介する事業を開始 |
日本相撲協会の公式プロフィールによると、栃ノ心の生涯戦歴は681勝615敗106休、通算102場所です。幕内戦歴は559勝573敗68休で、大関在位は通算7場所。幕内優勝1回に加え、殊勲賞2回、敢闘賞6回、技能賞3回、金星2個という実績を残しました。
なお、2018年の大関昇進は、単に一度優勝したことだけで実現したわけではありません。右膝のけがによる幕下転落から復帰し、関脇として安定した成績を残したことが評価された結果です。栃ノ心のキャリアは、身体能力だけでなく、長期離脱後に再び上位へ戻るための稽古と継続力を示すものでもあります。
【GEORGIAN HOUSEの評判】料理・ワイン・店内の魅力を検証
2026年の栃ノ心を語るうえで欠かせないのが、ジョージア料理レストラン「GEORGIAN HOUSE」です。東京都墨田区吾妻橋2-3-7にあり、本所吾妻橋駅から徒歩約1分の場所で、2026年2月24日にグランドオープンしました。
スポニチアネックスの開店報道によると、店舗は3階建てで、ジョージアの町並みの写真や国旗を取り入れた空間が特徴です。店内には2018年初場所の優勝額も飾られており、栃ノ心の相撲人生と故郷の文化を一度に感じられるつくりになっています。
店舗のコンセプトは、ジョージアを体感できる空間です。日本ではシュクメルリの名前が広く知られるようになりましたが、同店ではそれ以外の伝統料理も楽しめます。
- シュクメルリ:鶏肉をにんにくの効いたクリーミーなソースで味わう料理。
- ヒンカリ:肉汁を包み込んだ、餃子にも似た形のジョージア料理。
- ハチャプリ:チーズをたっぷり使った、ジョージアを代表するパン料理。
- プハリ:野菜やくるみ、ハーブなどを組み合わせた伝統的な前菜。
- ワイン:ジョージアの食文化を語るうえで欠かせない、同国産のワイン。
飲食スペースに加え、ワインやはちみつ、皮製のバッグなどを販売するコーナーも設けられています。食事を楽しむだけでなく、ジョージアの特産品を知り、購入できる点が一般的なレストランとの違いです。
では、GEORGIAN HOUSEの評判はどうなのでしょうか。
2026年10月25日付の食べログマガジンでは、世界各地の料理を食べ歩いてきた本田直之氏が同店を訪問。店名やオーナーの知名度だけが先行する店ではないかという当初の印象が、実際に料理を食べることで変わったと紹介しています。シュクメルリやヒンカリ、ハチャプリなどの料理について、素材や調理の手間を含めて評価している点が特徴です。
一方、個人の口コミには、料理の味や豪華な内装を評価する声がある一方で、注文方法や接客、価格帯について戸惑いを示す意見も見られます。食べログなどの評価点は更新されるうえ、開店から間もない時期の口コミには来店時期や利用人数の違いもあります。少数の高評価だけで店全体を判断するのではなく、複数のレビューを読むことが大切です。
現時点での評価を整理すると、料理の種類やジョージアらしい空間に魅力がある一方、価格と注文方法を事前に把握しておくと、来店後のギャップを減らせます。特にジョージア料理を初めて食べる人は、シュクメルリだけでなくヒンカリやハチャプリなどを複数人でシェアすると、食文化の幅を知りやすくなります。
営業時間やメニュー、予約方法は変更される可能性があるため、訪問前には店舗の最新の案内を確認するのが確実です。
【妻・子供・ジョージアワイン】家族と故郷への思いが支える引退後の活動
栃ノ心は現役時代から、ジョージアの文化や家族とのつながりを大切にしてきました。引退後の事業も、故郷の食文化を日本に広めるという方向性でつながっています。
家族については、2015年に高校時代から交際していたジョージア人女性と結婚し、2017年11月に長女が誕生したことが知られています。その後、2024年1月の日刊ゲンダイの取材で、前妻との離婚と日本人女性との再婚を本人が明かしました。現在の妻との間には2023年4月に長男が誕生しています。
加えて、2026年10月のスポーツ報知の記事を配信したライブドアニュースは、同年5月に現在の妻との第2子となる長女が誕生したと報じました。前の結婚で生まれた長女と、現在の妻との間に生まれた子どもたちについては、それぞれ異なる家族関係があります。2024年の取材では、前妻との長女に会えていない時期があったことも本人が語っています。
こうした家族の事情について、過去の報道だけで現在の関係を断定することはできません。2026年の報道では、栃ノ心が現在の妻と3歳の息子、同年生まれた娘と千葉県内の自宅で暮らしていることが紹介されています。
もう一つ、栃ノ心の第二の人生を理解するうえで重要なのが、ジョージアワインとはちみつの事業です。
栃ノ心は幼いころから実家の農作業やワイン造りを手伝ってきました。2026年10月の報道によると、17歳のときに亡くなった祖父から、ジョージアワインを広めてほしいという思いを託されたことが、引退後の事業にもつながっています。
引退後は株式会社Royal Georgiaを設立し、ジョージアワインやはちみつを扱う事業を展開。ジョージア大使館で文化・スポーツ関連の顧問も務めています。料理店の経営と物産販売、文化交流を組み合わせることで、飲食だけでは伝えきれない母国の魅力を紹介しているのです。
また、2026年10月の報道では、千葉県内でワイナリーを造る構想も語られています。2027年にはブドウの栽培を始めることを目指しているとされ、実現すれば、ジョージアのワイン文化を紹介するだけでなく、日本国内での生産にも挑戦することになります。
このように、栃ノ心のワイン事業は単なる引退後の副業ではありません。家業で触れてきたワイン造り、祖父から託された思い、母国の文化を日本に伝える活動が重なった取り組みです。GEORGIAN HOUSEで料理とワインを提供することも、その延長線上にあります。
【現役時代と引退後の比較】力士から実業家へ、変わったものと変わらないもの
栃ノ心の現役時代と引退後を比較すると、最も大きく変わったのは、身体を使って成果を競う立場から、文化や食を通じて価値を届ける立場へ移ったことです。
現役時代は、右四つや上手投げを武器に、相手との組み合いで力を発揮することが求められました。番付や勝敗が評価を左右し、けがによる休場は競技人生に直結する問題でした。右膝の大けがから復活し、大関にまで昇進した一方、左肩の負傷によって引退を余儀なくされた経歴は、力士という職業が身体の状態に大きく左右されることを示しています。
引退後は、飲食店の経営、物産販売、文化交流、ワイナリー構想など、複数の分野で活動しています。相撲のように毎場所の勝敗で成果が決まる仕事ではなく、料理の品質や接客、商品選び、事業の継続性など、さまざまな要素が評価につながります。
GEORGIAN HOUSEも、元大関という知名度だけで長期的に支持されるとは限りません。来店客が再び足を運ぶためには、料理の味、価格への納得感、接客、予約や注文のしやすさなどが大切です。食べログマガジンの試食記事が料理そのものの魅力に注目したことは、店を評価するうえで参考になる視点です。
一方、変わっていないのは、ジョージアという故郷との結びつきです。現役時代にはジョージア出身力士として優勝と大関昇進を果たし、引退後は料理やワインを通じて母国を紹介しています。競技で注目された経験を、今度は文化を伝えるために生かしているのです。
現役時代の栃ノ心を知るファンにとっては、土俵での活躍が記憶に残っている可能性があります。しかし、2026年の栃ノ心を評価するなら、過去の成績だけでなく、店舗や商品を通じてどのような価値を生み出しているかにも目を向ける必要があります。
【プロの結論】栃ノ心の第二の人生を理解するための3つの視点
栃ノ心の現在を正しく理解するには、次の3つの視点が役立ちます。
1.引退を「けがによる終わり」だけで捉えないこと。
左肩の負傷が引退の直接的なきっかけになったのは事実です。しかし、2013年の右膝の大けがから幕下転落を経て復活し、2018年には幕内最高優勝と大関昇進を実現しました。栃ノ心の競技人生は、けがの記録だけではなく、困難から立ち直った過程を含めて評価する必要があります。
2.GEORGIAN HOUSEは、知名度と料理の実力を分けて評価すること。
元大関がオーナーという話題性は、店を知るきっかけになります。しかし、飲食店としての価値は料理やサービス、価格、利用しやすさで決まります。実際に訪れるなら、最新のメニューや営業時間を確認し、料理の内容と口コミの両方を参考にするのが合理的です。
3.ワイン事業と飲食店を、ジョージア文化の発信という一つの流れで見ること。
ジョージア料理店、ワインとはちみつの販売、文化・スポーツ関連の顧問活動、そして日本でのワイナリー構想は、それぞれ別の事業に見えて、故郷と日本をつなぐという共通点があります。特に2027年に向けたブドウ栽培の計画が実現すれば、栃ノ心の活動は輸入品の販売から、日本での生産を含む新たな段階に進む可能性があります。
現役時代の栃ノ心は、圧倒的な力と不屈の復活劇で相撲ファンを魅了しました。引退後は、母国の文化を伝えるという別の目標に取り組んでいます。土俵を離れた後も新しい挑戦を続けている点に、2026年現在の栃ノ心を理解する手がかりがあります。
【栃ノ心】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:栃ノ心はいつ引退しましたか?
A1:2023年5月19日です。大相撲夏場所の6日目に現役引退が発表されました。当時は東十両5枚目で、初日から5連敗していました。
Q2:栃ノ心の引退理由は何ですか?右膝のけがも関係していますか?
A2:直接的なきっかけは、2023年1月場所で負傷した左肩の悪化です。左腕に力が入らず、得意の左上手を取ることも難しくなっていました。2013年には右膝の大けがも経験していますが、引退時には左肩の負傷と、思うような相撲が取れない状態が決定打となりました。
Q3:GEORGIAN HOUSEの評判はどうですか?
A3:料理や内装を評価する口コミがあり、2026年10月25日付の食べログマガジンでも料理の魅力が紹介されています。一方、個人の口コミには接客や注文方法、価格についての意見もあります。評価点は変動するため、最新の口コミやメニューを確認して判断するのがおすすめです。
まとめ:栃ノ心の現在と今後の動向を見極めるポイント
2026年の栃ノ心は、元大関としての知名度を生かすだけでなく、ジョージア料理店「GEORGIAN HOUSE」の経営やワイン・はちみつの販売、文化交流を通じて新しいキャリアを築いています。
2018年の幕内最高優勝と大関昇進は、右膝の大けがを乗り越えた努力の成果でした。一方、2023年5月の引退は、左肩の負傷によって本来の相撲が取れなくなったことが大きな理由です。競技人生には終止符を打ちましたが、母国と日本をつなぐ活動は続いています。
2026年2月に開店したGEORGIAN HOUSEは、シュクメルリやヒンカリなどの伝統料理に加え、ワインやはちみつといったジョージアの特産品に触れられる場所です。口コミを参考にしながら料理や価格、サービスを確認すれば、店の特徴をより具体的に把握できます。
加えて、2027年に向けたワイナリー構想も、今後の注目点です。栃ノ心の第二の人生は、相撲で培った経験を土台に、食と文化の分野へ広がっています。現役時代の輝かしい実績と、引退後に取り組む事業の両方を知ることで、2026年現在の栃ノ心の姿がより鮮明になります。