2026年9月28日、JRA(日本中央競馬会)は2027年度の開催日割と重賞競走に関する計画を発表した。大きな変更点の一つが、夏の新潟競馬と中京競馬で導入する「1日7レース制」だ。対象期間は2027年7月24日から8月29日まで。従来の1日12レースから5レース減らし、第1レースの発走を午後3時頃に設定することで、気温が高い時間帯を避けて競馬を実施する方針が示された。
ただし、夏競馬全体が7レースに縮小されるわけではない。対象となるのは新潟と中京の特定開催で、年間の競走数を確保するために春・秋の月曜日開催を増やすほか、函館・札幌の開催順序も見直される。3歳未勝利戦の編成や馬券購入のタイミングにも影響する可能性があり、2026年のうちに変更の全体像を把握しておきたい。
【速報】2027年の夏競馬はなぜ1日7レースになるのか

JRAが9月28日に公表した2027年度の開催日割案では、第2回新潟競馬と第2回中京競馬を対象に、1日7競走の編成を実施するとしている。最大の目的は、さらなる暑熱対策だ。
対象期間は2027年7月24日(土)から8月29日(日)までの6週間。この期間中、新潟競馬と中京競馬はそれぞれ12日間の開催となり、合計24開催日で1日7競走を実施する計画である。
重要なのは、今回の変更が単なるレース数の削減ではない点だ。JRAは第1レースの発走時刻を15時頃に遅らせ、暑さが厳しい時間帯を避けて競走を組む方針を示している。スポーツニッポンなどの報道では、競走は午後3時頃から午後6時30分頃までの時間帯に集中する見通しとされている。
また、2027年度の日程は、農林水産大臣の認可を経て正式に確定する。JRAの公式発表でもこの点が明記されており、10月25日時点では、開催日割の発表内容と今後公表される競馬番組の詳細を分けて理解する必要がある。
つまり、2027年から変わるのは、夏の新潟・中京開催におけるレースの組み方だ。北海道シリーズを含むJRA全体が一律に1日7レースになるわけではない。
【比較表】夏競馬の12レースから7レースへ、何が変わる?
変更点を数字で整理すると、今回の計画が年間開催日程にも波及する理由が見えてくる。1日当たり5競走を減らす一方、開催日そのものを増やして年間の競走数を確保する仕組みだ。
| 比較項目 | 従来の方式・変更前の枠組み | 2027年度の開催日割案 |
|---|---|---|
| 対象競馬場 | 新潟・中京などで競走時間帯を拡大 | 第2回新潟競馬・第2回中京競馬 |
| 実施期間 | 2026年は競走時間帯の拡大を6週間実施 | 2027年7月24日〜8月29日 |
| 1日の競走数 | 12競走 | 7競走 |
| 第1レースの発走 | 午前から開催し、昼の休止時間を設ける方式 | 15時頃 |
| 削減される競走数 | 通常の12競走編成 | 1開催日当たり5競走、2場合計で120競走 |
| 年間の開催日数 | 従来の上限は288日 | 298日 |
| 競走数の確保 | 従来の日程を基本に編成 | 春・秋の月曜日開催などで再配置 |
競走数の計算は明快だ。1開催日につき12競走から7競走へ変更すると、5競走が減る。新潟と中京の開催日数はそれぞれ12日間のため、合計24開催日に5競走ずつを掛けると、削減されるのは合計120競走となる。
この120競走を年間日程から単純に消してしまうのではなく、春・秋を中心とした開催日程の再編で確保するのがJRAの計画だ。2027年度の開催日数は全体で298日となり、従来の上限だった288日から10日増える。
なお、288日という数字は従来の開催日数の上限であり、2027年度の競走数を単純に288日分だけで判断するのは正確ではない。2026年7月の競馬法施行規則改正により、年間3456競走以内であれば、暑熱対策などを目的として年間288日を超えて開催できる枠組みが整えられた。JRAはこの制度変更を生かして日程を組み直す。
【導入理由】1レースを15時にする暑熱対策はどう進化した?
今回の7レース制を理解するには、JRAが段階的に進めてきた暑熱対策を振り返る必要がある。2027年に突然レース数を減らすことになったのではなく、競走を行う時間帯そのものを見直す取り組みが先行していた。
2024年は新潟競馬で「競走時間帯の拡大」を試験的に導入。JRAの2024年度競馬番組資料によると、第2回新潟競馬では午前中に競走を行った後、気温が特に高い時間帯を避けるために休止時間を設け、午後に競走を再開する方式が採用された。第1競走は9時35分頃、午後の競走は15時10分頃から始まる編成だった。
2025年には新潟に加えて中京でも同様の方式を実施。さらに2026年度は、JRAが公表した競馬番組の概要で、競走時間帯の拡大を前年の4週間から6週間へ延長するとした。2026年夏の対象期間は7月25日から8月30日までである。
こうした段階的な見直しの先に位置付けられるのが、2027年度の1日7競走制だ。これまでのように午前中からレースを始めて長い休止時間を挟むのではなく、競走自体を気温が比較的下がる午後から夕方へ寄せる設計に切り替える。
この変更には、競走馬の健康管理という観点がある。暑熱の影響はレース中だけに限らず、競走前の準備やパドックでの周回などにも関係する。JRAはこれまで、装鞍所への集合時刻の調整や下見所の周回時間の短縮なども進めてきた。発走時刻の変更は、こうした取り組みの延長線上にある。
もちろん、発走時刻を遅らせれば暑さの問題がすべて解消するわけではない。気温や湿度は日によって異なり、開催時の気象条件によっては追加の安全対策が必要になる。2027年度の7レース制は、気象条件を管理しやすい時間帯へ開催を集約するための制度的な変更と捉えるべきだ。
【馬券・未勝利戦】7レース制で競馬ファンへの影響は?
競馬ファンが気になるのは、レース数が減ることで馬券の購入機会や予想の組み立て方がどう変わるのかという点だ。特に注意したいのは、対象競馬場の当日分と、JRA全体の開催を区別することである。
最初に、7レース制の対象は新潟・中京の該当開催に限られる。北海道シリーズでは従来どおり1日12競走の編成が維持される予定で、JRA全体のレースが1日7競走に限定されるわけではない。新潟・中京のレースが少なくなる日でも、ほかの競馬場のレースが馬券検討の対象になる。
一方、対象競馬場では1日12競走から7競走へと5競走減るため、その開催場で購入できる馬券の対象レースは少なくなる。普段から午前中の未勝利戦や条件戦を中心に予想しているファンにとっては、従来と同じ時間帯に同じ数のレースを検討することはできない。
発走が午後3時頃になることで、購入スケジュールにも変化が生じる。従来の午前開催を前提に予想や資金配分を組んでいた人は、午後から始まる新潟・中京のレースと、北海道開催などの終盤のレースが重なる可能性も考慮したい。レース番号だけでなく、開催場ごとの発走時刻を確認することが大切だ。
なお、開催日割の発表段階では、馬券の式別そのものを変更するという発表はない。単勝、複勝、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単といった馬券の種類が、7レース制の導入だけを理由に一律で廃止されるという話ではない。実際の発売対象や発売時刻については、確定した競馬番組やJRAの発売案内で確認する必要がある。
もう一つ大きいのが、3歳未勝利戦への影響だ。スポーツニッポンなどの報道では、2027年夏の新潟・中京開催では3歳未勝利戦が基本的に組まれなくなる見通しとされている。5月の競馬報道でも、未勝利戦の総数を確保しつつ、その実施時期や開催場を再編する方向が伝えられていた。
これは、3歳未勝利戦そのものがなくなるという意味ではない。夏の特定開催でレースを組む余地が小さくなるため、別の時期や開催場への振り分けが必要になるということだ。未勝利馬を管理する陣営や、夏の未勝利戦を予想の中心にしているファンにとっては、出走予定や番組の確認がこれまで以上に重要になる。
ただし、個別の競走条件や実施時期などの詳細は、開催日割だけでは確定しない。JRAは競馬番組のルールなどについて11月中旬頃に改めて発表するとしているため、未勝利戦の具体的な編成は追加情報を待つ必要がある。
【日程再編】平日月曜開催と函館・札幌の変更点
夏のレース数を減らしながら年間の競走数を確保するには、別の時期に開催日を設ける必要がある。2027年度の開催日割案では、春・秋に平日の月曜日を含む3日間開催を新たに設定し、北海道シリーズの日程も変更する。
JRAの発表によると、平日の月曜日を含む3日間開催は次の3回だ。
2027年3月6日(土)〜8日(月):中山競馬・阪神競馬
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2027年10月30日(土)〜11月1日(月):東京競馬・京都競馬
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2027年11月27日(土)〜29日(月):東京競馬・京都競馬
これに加えて、成人の日、春分の日の振替休日、敬老の日、スポーツの日に合わせた3日間開催も計画されている。祝日を利用した開催が4回、平日の月曜日を含む開催が3回となり、土曜・日曜・月曜の3日間開催は合計7回となる。
平日開催が増えると、馬券ファンにとっては観戦や購入の時間を確保しにくい日が出てくる一方、土日に集中していた開催を分散できる。JRAにとっては、夏に削減した競走数を別の日程へ振り分け、年間の競走数を維持するための手段となる。
北海道シリーズの再編も見逃せない。2027年度は函館競馬の開催日数を従来の6週間・12日間から7週間・14日間へ拡大し、開始時期を1週繰り上げる計画だ。加えて、函館と札幌を交互に開催する順序が採用される。
日刊スポーツなどの報道では、北海道シリーズは第1回函館が6月5日〜27日、第1回札幌が7月3日〜18日、第2回函館が7月24日〜8月8日、第2回札幌が8月14日〜9月5日という日程で紹介されている。
この変更は、夏競馬の開催場を単純に入れ替えるだけではない。JRAは、良好な芝馬場を維持することなどを理由に、函館4週、札幌3週、函館3週、札幌4週の順で開催する方針を示している。夏の新潟・中京を7レース制にする施策と、北海道シリーズの日程を組み直す施策は、年間全体の競走数と馬場管理を両立させる一連の見直しとして理解できる。
【誤解を整理】2026年最新の変更点と7レース制の実態
2027年度の計画をめぐっては、「夏競馬そのものが縮小する」「JRAの全競馬場で7レースになる」「3歳未勝利戦が廃止される」といった誤解が生まれやすい。実際の変更内容は、それぞれ異なる。
第一に、1日7競走となるのは、対象期間の第2回新潟競馬と第2回中京競馬である。北海道シリーズを含めて、JRA全体の競走数が一律に減るわけではない。
第二に、3歳未勝利戦については、夏の新潟・中京で基本的に編成されなくなる見通しが報道されているものの、未勝利戦そのものの廃止が発表されたわけではない。全体の番組をどの時期や開催場へ配置するかが重要な論点になる。
第三に、レース数が減ることと年間の競走数が減ることも同じではない。今回の計画では、対象となる24開催日で合計120競走を削減する一方、開催日数を増やして競走数を確保する方針だ。年間の開催日数は298日となる予定で、従来の上限だった288日を超える。
また、2026年時点の変更点として押さえておきたいのが、競走時間帯の拡大がすでに6週間へ延長されていることだ。2027年はその期間を単純にさらに延ばすのではなく、1日の競走数と発走時間を大きく組み替える段階へ進む。
情報を確認するときは、次の3点を基準にすると分かりやすい。開催日割の発表なのか、個別の競馬番組の確定情報なのか。対象が新潟・中京なのか、北海道シリーズを含むJRA全体なのか。そして、レース数の削減なのか、年間の競走数そのものの削減なのか。この区別を意識すれば、見出しだけを読んだときの誤解を避けやすくなる。
【夏競馬7レース制】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:夏競馬の1日7レース制はいつからいつまで実施されますか?
A1:JRAが2026年9月28日に発表した2027年度の開催日割案では、2027年7月24日から8月29日までが対象期間です。この期間中、第2回新潟競馬と第2回中京競馬はそれぞれ12日間の開催となり、1日7競走の編成を実施する計画です。開催日割は農林水産大臣の認可を経て正式に確定します。
Q2:2027年はJRAのすべての競馬場で1日7レースになるのですか?
A2:いいえ。1日7競走となるのは、夏の第2回新潟競馬と第2回中京競馬です。北海道シリーズは1日12競走の編成を維持する予定で、JRA全体が7レース制に切り替わるわけではありません。
Q3:3歳未勝利戦は2027年からなくなるのですか?
A3:3歳未勝利戦そのものが廃止されるという発表ではありません。報道では、7レース制の新潟・中京開催では基本的に3歳未勝利戦が組まれなくなる見通しとされています。未勝利戦の具体的な実施時期や開催場は、今後公表される競馬番組の詳細を確認する必要があります。
Q4:1日7レースになると、馬券は買えなくなるのですか?
A4:馬券の発売が一律に停止されるわけではありません。対象競馬場の当日分は7競走となりますが、ほかの競馬場のレースもあります。発走時刻や発売対象を開催場ごとに確認し、従来の午前開催を前提とした購入計画を見直すことが大切です。
Q5:レース数が減るのに、なぜ2027年の開催日数は増えるのですか?
A5:夏の新潟・中京で削減する120競走を、春・秋の月曜日開催などに再配置して年間の競走数を確保するためです。2026年7月の競馬法施行規則改正によって、年間3456競走以内であれば従来の上限288日を超えて開催できる枠組みが整い、2027年度は開催日数を298日とする計画が示されています。
まとめ:【プロの結論】2027年の夏競馬は日程全体で理解する
2027年度の夏競馬で最大の変更点となるのは、7月24日から8月29日までの新潟・中京開催を1日7競走とし、第1レースを15時頃に設定する計画だ。2024年の新潟での試験導入、2025年の中京への拡大、2026年の6週間への延長を経て、2027年は競走数そのものを減らす方式へ移行する。
その一方、年間の競走数を確保するために平日月曜日を含む3日間開催が増え、函館・札幌の開催順序も変更される。3歳未勝利戦についても、夏の新潟・中京での編成や実施時期が変わる可能性があり、出走予定や番組の確認が欠かせない。
プロの視点で重要なのは、7レース制を「競馬の縮小」とだけ捉えないことだ。これは、暑さの厳しい時間帯を避けるために開催方式を変更し、年間の競走数を維持するために日程を再配置する施策である。馬券ファンは、対象競馬場、発走時刻、未勝利戦の編成、平日開催の4点を押さえておくと、変更後の夏競馬に対応しやすい。
今後は、JRAが11月中旬頃に公表するとしている競馬番組の詳細が焦点となる。開催日割案と確定した番組を区別しながら、新しい発走時刻やレース編成を確認することが、2027年の夏競馬を理解するうえでの最も確実な判断基準となる。