ベイカレントの執行役員は、いったいどれほどの年収を得ているのでしょうか。東証プライム上場のコンサルティング企業であるベイカレント(証券コード6532)は、従業員の平均年収が1,300万円を超える高年収企業として知られています。一方、役員報酬はさらに高い水準にあり、2026年2月期には社外取締役などを除く取締役4名の報酬総額が13億3,900万円、1人当たりの平均が3億3,475万円となりました。
ただし、この金額をそのまま「執行役員全員の年収」と捉えるのは正確ではありません。2025年2月期の平均年収1,350万円、平均年齢31.2歳という従業員データと、2026年2月期の役員報酬は対象者も会計期間も異なります。金融庁EDINETの有価証券報告書、IRBANKの役員報酬推移、Tx会社調査などの公開情報をもとに、個人別報酬の実態、取締役との違い、報酬が高い理由まで整理します。
【2026年最新】ベイカレントの平均年収と役員報酬の実態

ベイカレントの年収を調べる際、最初に区別したいのが「従業員の平均年間給与」と「役員報酬」です。両者は対象者も算定方法も異なり、同じ基準で比較することはできません。
金融庁EDINETに提出された有価証券報告書によると、2025年2月期のベイカレント単体の平均年間給与は1,349万7,765円。平均年齢は31.2歳、平均勤続年数は4.0年でした。検索記事で広く使われている「平均年収1,350万円」は、この数値を万円単位に丸めたものです。
一方、2026年2月期の有価証券報告書では、平均年間給与は1,331万922円、平均年齢は31.3歳となっています。2025年2月期の数字が2026年現在の最新値というわけではありません。2026年10月時点では、2026年2月期の有価証券報告書が最新の通期開示資料です。
役員側を見ると、2026年2月期は社外取締役および監査等委員である取締役を除く取締役4名の報酬総額が13億3,900万円でした。これを4名で割ると、1人当たり平均は3億3,475万円です。Tx会社調査が掲載する「役員報酬3億3,475万円」という数字は、この平均値に対応します。
したがって、検索時には「2025年2月期の従業員平均年収1,350万円」と「2026年2月期の取締役平均報酬3億3,475万円」を混同しないことが大切です。前者は従業員全体の平均、後者は特定の取締役区分に属する4名の報酬平均です。
【数字で比較】平均年収1,350万円と役員平均報酬3億3,475万円の違い
公開資料を年度ごとに並べると、ベイカレントの従業員給与と経営幹部の報酬が、別々の指標であることが分かります。以下は有価証券報告書と、その開示内容を整理したIRBANK、Tx会社調査などに基づく比較です。
| 比較項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員の平均年間給与 | 約1,350万円 | 約1,331万円 |
| 従業員の平均年齢 | 31.2歳 | 31.3歳 |
| 単体の従業員数 | 593名 | 866名 |
| 社外取締役・監査等委員を除く取締役の人数 | 3名 | 4名 |
| 同区分の報酬総額 | 12億2,000万円 | 13億3,900万円 |
| 同区分の1人当たり平均報酬 | 約4億667万円 | 3億3,475万円 |
この比較で注目すべき点は、2026年2月期に役員報酬の総額が増えた一方、1人当たり平均は前年を下回ったことです。2025年2月期は3名で12億2,000万円、2026年2月期は4名で13億3,900万円。対象人数が変わったため、総額の増加と平均額の低下が同時に起きています。
また、2025年2月期の従業員平均年収は前年比で大きく上昇しましたが、2026年2月期には約19万円低下しています。平均年収は個々の社員の昇給額を直接示す数字ではありません。人員構成、対象となる従業員の範囲、賞与などによっても変動します。
特にベイカレントは、2024年9月にコンサルティング事業を100%子会社のベイカレント・コンサルティングへ移管しました。その後の有価証券報告書では、持株会社である提出会社単体の従業員数が大きく変化しています。2025年2月期の平均年収を、事業移管前の全社員にそのまま当てはめることには注意が必要です。
【混同に注意】ベイカレントの執行役員と取締役は何が違う?
ベイカレントの執行役員年収を調べるうえで、最も重要なのが「執行役員」と「取締役」の違いです。肩書が似ていても、会社法上の位置付けや役割、報酬の開示方法は同じではありません。
取締役は、株主総会で選任され、取締役会を通じて会社の重要事項の決定や経営の監督を担う役職です。一方、執行役員は、会社が定める組織・職務権限に基づいて業務執行を担う役職であり、会社法上の機関として定められた役職ではありません。
企業によっては取締役が執行役員を兼務することもあります。その場合、取締役としての報酬と、執行役員としての職務を踏まえた報酬が、制度上どのように取り扱われるかは会社の報酬体系によります。
ベイカレントの有価証券報告書に記載される役員報酬は、取締役などの法定開示対象を基礎としています。社外取締役や監査等委員を除く取締役の平均報酬が3億3,475万円だからといって、取締役ではない執行役員全員が同額を受け取っているとは判断できません。
執行役員個人の報酬を正確に知りたい場合は、対象者が取締役を兼務しているか、報酬額が個別開示されているか、集計対象がどの役職区分なのかを確認する必要があります。公開資料だけで個々の執行役員の年収を確定することは難しく、取締役の平均報酬をそのまま推定値に転用するのも適切ではありません。
【報酬の仕組み】ベイカレントの役員報酬はなぜ高額なのか
ベイカレントの役員報酬は、単純な固定給だけで構成されているわけではありません。有価証券報告書やコーポレートガバナンス関連資料では、業務執行を担う取締役の報酬について、固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬を組み合わせる仕組みが示されています。
2026年2月期の社外取締役・監査等委員を除く取締役4名について、開示資料を整理すると、報酬の内訳は次のとおりです。
- 固定報酬:1億4,000万円
- 業績連動報酬:7億9,800万円
- 譲渡制限付株式報酬:4億100万円
- 合計:13億3,900万円
業績連動報酬の比重が大きいことは、ベイカレントの報酬制度を理解するうえで大切です。固定報酬だけで高額な報酬が決まるのではなく、会社の業績や中長期的な企業価値向上を意識した設計になっています。
業績連動報酬については、前事業年度のEBITDAに一定の比率を乗じて算出する仕組みが開示されています。実績や成長率、財務指標、法令遵守状況、ESGへの取り組みなどを踏まえ、指名報酬委員会の答申を経て取締役会が比率を決める仕組みです。譲渡制限付株式報酬は、経営陣と株主の利害を中長期的に近づける役割を担います。
報酬が高額になる背景には、会社の事業規模や収益力もあります。2026年2月期の決算短信によると、連結売上収益は1,483億3,200万円で前年比27.8%増、EBITDAは521億2,500万円で前年比19.9%増でした。コンサルティング事業の拡大と収益成長が、経営幹部の業績連動報酬を考えるうえで重要な要素となっています。
ただし、報酬制度の説明と個人の実際の年収は別の問題です。制度上の報酬構成比は目安であり、個人の職責や業績、対象年度の実績によって実際の受取額は変わります。また、株式報酬は現金給与と性質が異なるため、報酬総額のすべてをそのまま手取りの現金収入と考えることはできません。
【役員報酬の推移】IRBANKで分かる変化と個人別の開示額
IRBANKの「ベイカレント(6532)の役員報酬の推移」では、過去の有価証券報告書に基づく役員報酬の変化を確認できます。2025年2月期には、社外取締役・監査等委員を除く取締役3名の報酬総額が12億2,000万円となり、前期の11億8,600万円から増加しました。
2026年2月期には、同区分の取締役が4名となり、報酬総額は13億3,900万円に増えています。役員報酬の推移を見る際は、金額の増減だけでなく、対象者数や役員区分、報酬制度の変更も併せて確認する必要があります。
また、有価証券報告書では、連結報酬等の総額が1億円以上となった役員について、個人別の報酬額が開示されます。2026年2月期に公表された主な個人別報酬は次のとおりです。
- 池平謙太郎氏:約4億3,900万円
- 中村公亮氏:約4億3,000万円
- 阿部義之氏:約3億2,100万円
- 北風大輔氏:約1億4,900万円
この4名の報酬総額は13億3,900万円となり、前述の平均値の算出対象と一致します。ただし、ここで確認できるのは開示対象となった取締役の報酬です。執行役員という肩書を持つ人全員の給与ランキングではありません。
また、個人別の報酬額には固定報酬だけでなく、業績連動報酬や株式報酬が含まれます。年度によって構成や金額が変わるため、特定年度の報酬を毎年保証された年収とみなすのも誤りです。
【年収が高い理由と評判】転職希望者が見るべきポイント
ベイカレントの平均年収が高い理由を理解するには、コンサルティング事業の収益構造と、社員の給与を平均する際の条件を分けて考える必要があります。
第一に、企業の経営課題やIT・業務改革を支援するコンサルティングは、専門性の高い人材の知識や経験が付加価値につながる事業です。大規模プロジェクトを担える人材の採用・育成や、顧客企業との継続的な取引が収益力に影響します。
第二に、成果に応じた評価や賞与が年間給与に反映されることも、高い平均年収を理解するうえで欠かせない。有価証券報告書の平均年間給与には賞与や基準外賃金が含まれています。基本給だけを見て年収を比較すると、実際の報酬水準を見誤る可能性があります。
第三に、平均年収は社員個人の実力を示す数字ではありません。2025年2月期は単体の従業員数が593名、2026年2月期は866名で、事業移管後の持株会社単体の人員構成も変化しています。平均給与の上昇や低下だけを見て、全社員の給与が同じ割合で増減したと考えることはできません。
ベイカレントの年収評判や転職口コミを読む際には、投稿者の職位、在籍年度、賞与の有無、残業時間、所属法人を確認が必要です。平均年収1,331万円という開示値が高くても、すべての職位で同じ水準の給与が得られるわけではありません。社員の給与と、経営責任を負う取締役の報酬を混同しないことも必要です。
年収を重視して転職を検討するなら、求人票の想定年収だけでなく、基本給、賞与の算定条件、評価制度、昇進要件、勤務時間、担当する業務の範囲を確認しましょう。高い報酬を得られる可能性と、求められる成果や責任の大きさをセットで比較することが、入社後のミスマッチを防ぐ判断基準になります。
【ベイカレント執行役員年収】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ベイカレントの執行役員の年収は3億円以上ですか?
A1:2026年2月期の取締役報酬では、社外取締役・監査等委員を除く4名の平均が3億3,475万円でした。ただし、これは取締役の報酬平均であり、執行役員全員の年収を示すものではありません。執行役員個人の報酬を知るには、取締役兼務の有無や個別開示の対象かどうかを確認する必要があります。
Q2:ベイカレントの平均年収は1,350万円で確定していますか?
A2:1,350万円は2025年2月期の平均年間給与約1,349万8,000円を丸めた数値です。2026年2月期の最新の通期開示では約1,331万円となっています。記事や転職情報を見る際は、対象年度を必ず確認してください。
Q3:役員平均報酬3億3,475万円は手取り額ですか?
A3:いいえ。これは税引き前の役員報酬の平均額です。固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬などが含まれるため、すべてが現金で支払われるわけではありません。実際の手取り額は、税金や社会保険料、報酬の支給形態などによって異なります。
まとめ:ベイカレントの年収と役員報酬を正しく見極めるには
ベイカレントの年収を2026年の公開情報から整理すると、従業員の平均年間給与は2025年2月期が約1,350万円、2026年2月期が約1,331万円です。一方、2026年2月期の社外取締役・監査等委員を除く取締役4名の報酬総額は13億3,900万円で、平均は3億3,475万円となっています。
この数字は、ベイカレントの経営幹部が高額な報酬を得ていることを示す一方、執行役員全員の年収を直接示すものではありません。取締役と執行役員の役割の違い、報酬の対象区分、業績連動報酬や株式報酬の扱いを理解して初めて、公開データを正しく読み取れます。
今後も役員報酬を比較する際は、金融庁EDINETの有価証券報告書を一次資料とし、IRBANKやTx会社調査などの集計データを補助的に使うのが有効です。従業員の平均年収と役員報酬を区別し、対象年度と対象者をそろえて比較することが、ベイカレントの報酬水準を正確に把握するための基本です。