2026年10月22日(木)、プロ野球の未来を左右する「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が開催された。日本野球機構(NPB)の公式発表によると、今年は支配下選手76人、育成選手51人の計127人について交渉権が確定。12球団が、それぞれの編成方針に基づいて将来の主力候補を選び出した。
大学球界を代表する捕手・渡部海、最速155キロの直球を誇る青山学院大の鈴木泰成、投打二刀流の可能性を持つ山梨学院高の菰田陽生、そして米球界への挑戦を表明していた横浜高の織田翔希。事前の指名予想を揺るがす選択もあり、ドラフト当日は各球団の戦略が大きな注目を集めた。この記事では、12球団の全指名選手、注目候補、補強ポイント、予想と結果の違い、ドラフトの仕組みまでを整理する。
【2026年プロ野球ドラフト結果速報】12球団127人の交渉権が確定

2026年の新人選手選択会議は、10月22日16時50分開始予定で開催された。主催は一般社団法人日本野球機構。公式タイトルは「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、会場はグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールだった。
NPBの発表では、新人選手選択会議で支配下選手76人、育成選手51人の交渉権が確定した。支配下と育成を合わせて127人という規模は、各球団が一軍戦力の補充だけでなく、数年先を見据えた選手層の拡充にも取り組んだことを示している。
今年の1位指名で目を引いたのは、青山学院大のバッテリーを巡る争奪戦と、巨人による織田翔希の指名だ。渡部海捕手は楽天、鈴木泰成投手はソフトバンクが交渉権を獲得。日本ハムは投打の能力を備えた菰田陽生を1位で指名し、巨人は米球界への挑戦を表明していた織田を指名した。
ただし、ドラフトで決まるのは選手との交渉権であり、入団契約そのものではない。指名された選手が全員そのままNPB入りするとは限らず、今後の交渉や契約の動向も追う必要がある。
【球団別全指名選手一覧】支配下76人・育成51人を全掲載
以下は、週刊ベースボールONLINEが掲載した2026年ドラフトの球団別指名結果を基に、支配下指名と育成指名を分けて整理した一覧だ。選手名、守備位置、所属先をまとめて確認できる。
阪神タイガース
- 1位:榊原七斗(外野手/明治大)
- 2位:馬場拓海(投手/日本体育大)
- 3位:常深颯大(投手/大阪経済大)
- 4位:相羽寛太(内野手/ヤマハ)
- 5位:的場吏玖(投手/天理大)
- 6位:越川海翔(捕手/東京ガス)
- 7位:石井康輝(投手/徳島インディゴソックス)
- 育成1位:山下健信(投手/徳島インディゴソックス)
- 育成2位:荒木誠也(投手/徳島インディゴソックス)
読売ジャイアンツ
- 1位:織田翔希(投手/横浜高)
- 2位:平田玲翔(投手/大分商業高)
- 3位:池田聖摩(内野手/横浜高)
- 4位:杉本真滉(投手/智辯学園高)
- 5位:伊藤櫂人(内野手/中央大)
- 6位:松平快聖(投手/神奈川大)
- 育成1位:谷渕瑛仁(捕手/大阪桐蔭高)
- 育成2位:柳井球汰(内野手/宇部工業高)
- 育成3位:嶋武仁(外野手/北越高)
- 育成4位:松田陸斗(内野手/マツゲン箕島)
- 育成5位:関蓮太郎(捕手/川崎市立向丘中)
横浜DeNAベイスターズ
- 1位:星野世那(投手/大阪商業大)
- 2位:保西雅則(内野手/日本航空石川高)
- 3位:杉本寛斎(外野手/ブリティッシュコロンビア大)
- 4位:小金井凌生(投手/青森大)
- 5位:木口永翔(投手/上武大)
- 6位:神里陸(捕手/ENEOS)
- 7位:坂口渉(外野手/Honda)
広島東洋カープ
- 1位:山里宝(内野手/亜細亜大)
- 2位:西野啓也(捕手/立命館大)
- 3位:野原元気(投手/京都産業大)
- 4位:吉川凌平(投手/千葉商科大)
- 5位:光弘帆高(内野手/明治大)
- 6位:森煌誠(投手/NTT東日本)
- 育成1位:車谷仁(内野手/茨城アストロプラネッツ)
- 育成2位:田代旭(捕手/筑波大)
- 育成3位:皆吉海翔(内野手/長崎国際大)
東京ヤクルトスワローズ
- 1位:藤澤涼介(外野手/東京ガス)
- 2位:佐藤悠太(外野手/東北福祉大)
- 3位:福原聖矢(捕手/明治大)
- 4位:高田瑛大(内野手/都城高)
- 5位:川平真也(投手/茨城アストロプラネッツ)
- 6位:石澤大和(投手/日本製鉄室蘭シャークス)
- 7位:渡邊隼輔(内野手/徳島インディゴソックス)
- 育成1位:西野日向(内野手/愛媛マンダリンパイレーツ)
- 育成2位:高橋将大(投手/創価高)
- 育成3位:尾崎完太(投手/セガサミー)
中日ドラゴンズ
- 1位:宮原廉(投手/近畿大)
- 2位:柴崎聖人(外野手/王子)
- 3位:前嶋藍(捕手/亜細亜大)
- 4位:鈴木悠悟(投手/中京高)
- 5位:西田櫂吏(投手/京都国際高)
- 6位:清水智裕(捕手/ヤマハ)
- 育成1位:内藤崚(投手/上田西高)
- 育成2位:中西佳虎(外野手/大阪桐蔭高)
福岡ソフトバンクホークス
- 1位:鈴木泰成(投手/青山学院大)
- 2位:有馬伽久(投手/立命館大)
- 3位:渡辺和大(投手/慶應義塾大)
- 4位:藤森康淳(外野手/法政大)
- 5位:猪俣駿太(投手/東北福祉大)
- 6位:小坪碧人(投手/柳川高)
- 7位:中川大雅(内野手/至学館大)
- 8位:深見一騎(投手/国立台湾体育運動大)
- 9位:佐藤幻瑛(投手/ペンシルベニア州立大)
- 育成1位:丹羽涼介(投手/市立和歌山高)
- 育成2位:管田彪翔(投手/敦賀気比高)
- 育成3位:杉本幸基(投手/KTウィズ)
- 育成4位:田本聖貴(投手/駒澤大)
- 育成5位:亀田優次郎(投手/山村学園高)
- 育成6位:木下瑛二(投手/高川学園高)
- 育成7位:辻村大我(外野手/東北福祉大)
- 育成8位:村山勇太(投手/関西国際大)
- 育成9位:長山武蔵(内野手/日本ウェルネス沖縄高)
- 育成10位:根鈴風大(内野手/フレズノシティカレッジ)
- 育成11位:神谷虎之介(外野手/千葉スカイセイラーズ)
- 育成12位:鶴川内陽(投手/大阪商業大)
- 育成13位:松林幸紀(投手/大阪商業大)
- 育成14位:村雲脩吾(捕手/敦賀気比高)
- 育成15位:平山護(捕手/東筑高)
埼玉西武ライオンズ
- 1位:川尻啓人(投手/亜細亜大)
- 2位:柿本晟弥(投手/パナソニック)
- 3位:沢山優介(投手/ヤマハ)
- 4位:田中諒(捕手/日本大学第三高)
- 5位:中津大和(外野手/日本生命)
- 育成1位:三浦遼大(投手/茨城アストロプラネッツ)
- 育成2位:川島謙心(投手/龍谷大付属平安高)
- 育成3位:後藤幸樹(捕手/沼津商業高)
北海道日本ハムファイターズ
- 1位:菰田陽生(投手/山梨学院高)
- 2位:牟禮翔(外野手/九州国際大付属高)
- 3位:末吉良丞(投手/沖縄尚学高)
- 4位:加藤宇(投手/明星大)
- 5位:岡本翔斗(投手/香里丘高)
- 育成1位:岡田光平(外野手/大阪工業大)
- 育成2位:藤井悠貴(投手/新宮高)
- 育成3位:半杭奏太(内野手/東京農業大第二高)
- 育成4位:小島慎也(内野手/東北福祉大)
- 育成5位:今津慶介(内野手/慶應義塾大)
オリックス・バファローズ
- 1位:角田楓斗(投手/富士大)
- 2位:仲井慎(投手/駒澤大)
- 3位:春山陽登(外野手/大阪商業大)
- 4位:近藤琉唯斗(投手/小樽双葉高)
- 5位:野村亮輔(投手/佛教大)
- 6位:千葉汐凱(投手/Honda)
- 育成1位:黒川凌大(投手/花咲徳栄高)
- 育成2位:井尻琉斗(捕手/仙台大)
- 育成3位:吉田健吾(捕手/栃木ゴールデンブレーブス)
- 育成4位:河田ハウエルエバン盛児(内野手/上武大)
- 育成5位:若藤季柊(内野手/同朋大)
- 育成6位:菅原大奨(外野手/鮮ど市場)
千葉ロッテマリーンズ
- 1位:米沢友翔(投手/関西大)
- 2位:前田侑大(投手/高岡第一高)
- 3位:長屋竣大(投手/ENEOS)
- 4位:黒田義信(外野手/東日本国際大)
- 5位:新城楓雅(投手/奈良大附属高)
- 6位:田中皐晴(外野手/日南学園高)
- 育成1位:若藤芽空(内野手/高川学園高)
- 育成2位:佐々木十央真(投手/花巻東高)
- 育成3位:内田心温(内野手/関根学園高)
東北楽天ゴールデンイーグルス
- 1位:渡部海(捕手/青山学院大)
- 2位:岡田啓吾(内野手/明治大)
- 3位:樋口新(投手/王子)
- 4位:萩原義輝(捕手/東芝)
- 5位:高義博(内野手/オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ)
- 6位:渡邉都斗(投手/高知ファイティングドッグス)
- 育成1位:根本剛希(外野手/富山GRNサンダーバーズ)
- 育成2位:藤原佑(外野手/徳島インディゴソックス)
- 育成3位:金韓根(投手/茨城アストロプラネッツ)
- 育成4位:寺井広大(内野手/徳島インディゴソックス)
12球団の指名人数は合計127人。支配下指名だけでなく、育成指名にも将来の戦力となる可能性を持つ選手が並んだ。特にソフトバンクは育成15人を含む計24人を指名しており、選手層の拡充に積極的な姿勢が際立つ。
【高校生・大学生・社会人・独立リーグ】2026年の注目選手と1位指名を比較
今年のドラフト候補は、プロ志望届を提出した高校生127人、大学生149人に加え、社会人野球や独立リーグ、海外の大学などでプレーする選手にも広がっていた。週刊ベースボールONLINEのドラフト特集では、高校生の菰田陽生、杉本真滉、前田侑大、大学生の鈴木泰成、米沢友翔、宮原廉、渡部海、榊原七斗、社会人の長屋竣大、樋口新らが注目候補として紹介された。
ここでは、特に注目を集めた選手の特徴と、実際の1位指名先を整理する。
| 選手 | 所属・区分 | 注目ポイント | 2026年の指名結果 |
|---|---|---|---|
| 菰田陽生 | 山梨学院高・高校生 | 最速152キロの直球と長打力を持つ二刀流候補 | 日本ハム1位 |
| 杉本真滉 | 智辯学園高・高校生 | 直球とスライダーを軸に三振を奪う左腕 | 巨人4位 |
| 前田侑大 | 高岡第一高・高校生 | 最速156キロを記録した左腕 | ロッテ2位 |
| 鈴木泰成 | 青山学院大・大学生 | 最速155キロの直球を持つ本格派右腕 | ソフトバンク1位 |
| 渡部海 | 青山学院大・大学生 | 守備力と打撃、リーダーシップを備えた捕手 | 楽天1位 |
| 宮原廉 | 近畿大・大学生 | 最速156キロの直球と多彩な変化球 | 中日1位 |
| 米沢友翔 | 関西大・大学生 | 伸びのある直球が持ち味の左腕 | ロッテ1位 |
| 榊原七斗 | 明治大・大学生 | 走攻守のバランスと大学日本代表での実績 | 阪神1位 |
| 長屋竣大 | ENEOS・社会人 | 150キロ超の速球を武器とする右腕 | ロッテ3位 |
| 樋口新 | 王子・社会人 | 制球力と多彩な変化球、先発・救援の対応力 | 楽天3位 |
高校生ドラフト注目選手:将来性と成長余地が評価の軸
高校生では、山梨学院高の菰田陽生が大きな注目を集めた。身長195センチ、体重103キロの体格を持ち、最速152キロの直球に加えて打者としての長打力も備える。投打両面の可能性を持つ素材として、日本ハムが1位で指名した。
智辯学園高の杉本真滉は、最速149キロの直球とスライダーを武器とする左腕で、巨人が4位で指名。高岡第一高の前田侑大は最速156キロの直球を持ち、ロッテの2位指名を受けた。高校生の評価では、現時点の完成度だけでなく、身体づくりや技術向上によってどこまで成長できるかが重要になる。
大学生ドラフト注目選手:投手と捕手の上位指名が焦点
大学生では、青山学院大の鈴木泰成と渡部海が中心的な存在となった。鈴木は最速155キロの直球を持つ右腕で、ソフトバンクが1位で指名。渡部は守備力に加え、勝負強い打撃やリーダーシップも評価され、楽天が1位で交渉権を獲得した。
また、近畿大の宮原廉は最速156キロの直球を持つ右腕で中日の1位、関西大の米沢友翔は左腕投手としてロッテの1位、明治大の榊原七斗は外野手として阪神の1位に選ばれた。投手だけでなく、センターラインを担う捕手や外野手にも上位指名が集まった点が特徴だ。
社会人野球ドラフト候補:経験と実戦対応力が強み
社会人野球では、ENEOSの長屋竣大がロッテ3位、王子の樋口新が楽天3位で指名された。社会人出身の選手は、大学卒業後などに企業チームで経験を積み、投球術や実戦対応力を磨いてきた点が評価材料となる。球団側にとっては、将来性に加えてプロの環境へ適応するまでの見通しを立てやすい選択肢でもある。
独立リーグ注目選手:育成を含む幅広い獲得ルート
独立リーグからも複数の選手が指名を受けた。徳島インディゴソックスの石井康輝は阪神7位、茨城アストロプラネッツの川平真也はヤクルト5位、徳島の渡邊隼輔はヤクルト7位。育成では愛媛マンダリンパイレーツの西野日向がヤクルト1位、茨城アストロプラネッツの三浦遼大が西武1位で指名された。
加えて、台湾の大学に所属する深見一騎や、米国のペンシルベニア州立大でプレーする佐藤幻瑛もソフトバンクから指名された。海外の大学や独立リーグまで視野に入れた選手獲得は、ドラフトが高校・大学・社会人という従来の枠組みだけでは捉えられない段階にあることを示している。
【12球団の補強ポイントと指名予想】実際の結果はどう違ったのか
ドラフトの評価は、単純に有名選手を何人獲得したかでは決まらない。既存戦力の年齢構成、ポジション別の層、数年後に想定される退団や海外挑戦などを踏まえ、必要な選手を獲得できたかが問われる。週刊ベースボールONLINEなどのドラフト評価記事を踏まえ、今回の指名から読み取れる各球団の方向性を整理する。
- 阪神:1位で外野手の榊原七斗を指名。投手を複数獲得し、内野手の相羽寛太や捕手の越川海翔も加えた。外野の選択肢と投手陣、内野・捕手の層を幅広く補う構成となった。
- 巨人:1位の織田翔希に加え、2位の平田玲翔、4位の杉本真滉と高校生投手を上位で指名。将来の投手陣を担う若手の確保に重きを置いた形だ。
- DeNA:1位の星野世那をはじめ、投手、内野手、捕手、外野手をバランスよく指名。3位では海外の大学でプレーする杉本寛斎を選び、独自のスカウティング方針も目立った。
- 広島:1位の山里宝、2位の捕手・西野啓也を確保。投手も複数指名し、野手の補充と投手層の拡充を並行して進めた。
- ヤクルト:1位の藤澤涼介に加えて外野手をもう1人指名し、捕手、内野手、投手も獲得。社会人と独立リーグからも選手を迎える構成となった。
- 中日:1位の宮原廉に続き、外野手の柴崎聖人、捕手の前嶋藍と清水智裕を指名。投手力の強化と捕手の選択肢の確保を両立させた。
- ソフトバンク:支配下9人、育成15人の計24人を指名。投手を多く獲得し、海外の大学に所属する選手も含めて将来の選手層を厚くする方針が表れた。
- 西武:1位の川尻啓人から3位の沢山優介まで、上位3人を投手で固めた。先発・救援を含む投手陣の補強を優先した構成だ。
- 日本ハム:1位の菰田陽生をはじめ、2位の牟禮翔、3位の末吉良丞と高校生を上位で指名。若い世代の成長を見込んだ将来志向が際立った。
- オリックス:1位の角田楓斗、2位の仲井慎を含む投手を複数指名し、育成でも投手や捕手を確保。投手陣と選手層を厚くする方向性が見える。
- ロッテ:1位の米沢友翔、2位の前田侑大、3位の長屋竣大と、上位3人を投手で構成。大学、高校、社会人と異なるカテゴリーから投手を獲得した。
- 楽天:1位の渡部海に加え、4位でも捕手の萩原義輝を指名。投手も上位から獲得し、捕手の強化と投手層の拡充を同時に進めた。
ドラフト指名予想と結果の比較:巨人の織田指名が大きな焦点に
今年は、13年ぶりに12球団すべてが1位指名を事前公表しなかったと報じられた。事前公表がない状況では、各球団の補強方針や候補選手の評価を基に予想を組み立てる必要があり、直前まで指名の読み合いが続いた。
日刊スポーツがドラフト当日に掲載した球団別の1位指名予想では、阪神、巨人、中日、楽天などが渡部海を、DeNA、ヤクルト、日本ハムが菰田陽生を候補に挙げていた。一方、実際の指名では阪神が榊原七斗、DeNAが星野世那、ヤクルトが藤澤涼介を選択。予想と結果が一致しない球団が相次いだ。
なかでも巨人による織田翔希の1位指名は、当日の大きなサプライズとなった。織田は米球界への挑戦を表明しており、指名後の交渉が注目される選手だ。ドラフト予想は、候補の実力評価だけでなく、選手本人の進路希望、他球団との競合リスク、球団が交渉権獲得にどこまで踏み込むかによっても変わる。
予想が外れたこと自体が、球団の判断の失敗を意味するわけではない。指名順位には、その球団が候補選手をどれほど高く評価しているかに加え、他球団との競合を避ける戦略や、選手の将来性をどう見積もるかが反映される。予想と結果を比べる際は、名前の一致だけでなく、指名の背景も見る必要がある。
【新人選手選択会議の仕組み】1位抽選から育成指名までを解説
プロ野球ドラフト会議の正式名称は「新人選手選択会議」。日本野球機構が主催し、プロ野球12球団が新人選手との交渉権を獲得するために行う制度だ。上位の球団が自由に選手を獲得する仕組みではなく、指名順位と抽選によって選択機会を調整する。
1位指名は同時入札と抽選で決まる
1巡目では、12球団が希望する選手を同時に入札する。単独指名ならその球団が交渉権を獲得するが、複数球団の指名が重なった場合は抽選で決定する。抽選に外れた球団は再入札に進み、各球団の1位指名が確定するまで繰り返す。
2026年も、渡部海や鈴木泰成などの有力候補を巡って競合が起きた。競合を覚悟して本命を指名するか、別の候補を選んで単独指名を狙うか。1位指名には、戦力評価とリスク判断の両方が表れる。
2巡目以降はウェーバー方式と折り返し指名
2巡目は、その年の球団順位を基にした逆順で指名する。3巡目は通常の順位順に戻り、以降は交互に折り返す方式だ。2026年の2巡目は、楽天、中日、ロッテ、ヤクルト、オリックス、広島、日本ハム、DeNA、西武、巨人、ソフトバンク、阪神の順となった。
この方式は、戦力が不足している球団に比較的早い段階で選手を選ぶ機会を与え、戦力均衡を促す考え方に基づいている。ドラフトは、各球団の補強競争であると同時に、リーグ全体の競争環境を維持するための制度でもある。
支配下指名と育成指名は何が違うのか
支配下指名は、支配下選手としての契約を前提に交渉権を獲得するもの。一方、育成指名は、育成選手として契約することを前提とした別の選択会議で行われる。育成指名を受けた選手は、育成環境で技術や身体能力を磨き、支配下登録を目指すことになる。
NPBの開催要項では、通常の新人選手選択会議で指名人数が合計120人に達していない場合などに、希望球団による育成選手選択会議を行う仕組みが定められている。2026年は支配下76人に対して育成51人と、育成指名も大きな割合を占めた。
育成指名は、支配下指名よりも選手の将来が約束されていないという意味で厳しい面がある。しかし、指名順位だけで選手の将来を断定することもできない。育成環境、出場機会、故障からの回復、技術の伸びなど、複数の要素がその後のキャリアを左右する。
【プロの結論】ドラフトの評価は指名直後ではなく数年後に決まる
2026年のドラフトで明らかになったのは、球団ごとに選手獲得の優先順位が異なることだ。即戦力候補を上位で確保した球団もあれば、高校生を上位に並べて将来の成長を見込んだ球団もある。支配下指名を中心に組み立てた球団と、育成指名を積極的に活用した球団にも違いが見られた。
しかし、ドラフトの成否を指名当日の評価だけで決めることには限界がある。高校生は身体の成長や技術習得に時間を要する場合があり、大学生や社会人の選手でもプロの環境への適応には個人差がある。上位指名選手がすぐに一軍で活躍するとは限らず、下位指名や育成指名から主力へ成長する可能性もある。
歴代ドラフト1位指名選手を振り返る場合も、指名時の期待だけでなく、一軍定着、ポジションの確立、チームへの貢献、長期的な活躍といった複数の視点から評価することが大切だ。2026年の指名選手についても、最初の評価が最終評価になるわけではない。
ファンが今後チェックしたいのは、入団交渉の進展、春季キャンプでの起用、二軍での出場機会、投手の球速や制球、野手の守備位置や打撃内容などだ。高校生なら身体づくりと技術の伸び、大学生・社会人ならプロの投球や打球への対応力、独立リーグ出身者なら一軍の競争環境への適応が注目点になる。
また、球団別の補強ポイントを評価する際は、単に投手を何人指名したか、捕手を何人指名したかだけで判断しないことも重要だ。選手の左右、守備位置、年齢、先発・救援の適性、数年後の戦力構成まで考えると、同じ人数の指名でも編成上の意味は変わってくる。
【プロ野球ドラフト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のプロ野球ドラフト会議はいつ開催されましたか?
A1:2026年10月22日(木)に開催されました。公式タイトルは「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、NPBが主催しました。
Q2:2026年のドラフトでは何人が指名されましたか?
A2:NPBの公式発表では、支配下選手76人、育成選手51人の計127人の交渉権が確定しました。ただし、指名は入団契約の成立そのものではありません。
Q3:2026年のドラフト1位指名選手は誰ですか?
A3:阪神は榊原七斗、巨人は織田翔希、DeNAは星野世那、広島は山里宝、ヤクルトは藤澤涼介、中日は宮原廉、ソフトバンクは鈴木泰成、西武は川尻啓人、日本ハムは菰田陽生、オリックスは角田楓斗、ロッテは米沢友翔、楽天は渡部海を指名しました。
Q4:高校生・大学生・社会人・独立リーグの選手は同じ会議で指名されますか?
A4:基本的には同じ新人選手選択会議の対象です。プロ志望届などの要件を満たした選手が対象となり、出身カテゴリーによって別々のドラフト会議が行われるわけではありません。
Q5:ドラフト1位なら必ず活躍できますか?
A5:いいえ。1位指名は球団の高い評価を示しますが、将来の成績を保証するものではありません。入団後の成長、故障、出場機会、適応力などによってキャリアは変わります。下位指名や育成指名から一軍の主力になる選手もいるため、数年間の経過を見て評価することが大切です。
まとめ:2026年ドラフトの結果と今後の注目ポイント
2026年10月22日のプロ野球ドラフト会議では、12球団が支配下76人、育成51人の計127人の交渉権を獲得した。渡部海、鈴木泰成、菰田陽生、織田翔希らの指名が話題となった一方、各球団は投手、捕手、内外野手を組み合わせ、それぞれの編成方針に沿った選択を行った。
今年の結果を理解するうえでは、1位指名の話題性だけでなく、支配下と育成の内訳、出身カテゴリーの幅、補強ポイントとの一致、事前予想との違いを合わせて見ることが欠かせない。ドラフトの本当の評価は、指名された選手がどのように成長し、チームに貢献するかによって決まる。
今後は入団交渉や契約の動向に加え、春季キャンプ、二軍での実戦、一軍昇格のタイミングが注目される。2026年のドラフトで選ばれた127人の中から、次世代の主力や球界を代表する選手がどれだけ生まれるのか。各球団の指名戦略の成否は、これから数年にわたって明らかになっていく。