ジョン・デュプランティエ投手は、2025年に阪神タイガースで防御率1.39、113奪三振を記録し、リーグ優勝に貢献した右腕です。しかし、2026年は横浜DeNAベイスターズへ移籍したものの、登板はわずか2試合。右肘の手術を受け、7月には自由契約となりました。
なぜ阪神を離れ、DeNAでは短期間で退団することになったのでしょうか。日本野球機構(NPB)の公示、DeNAの公式発表、MLB公式記録、報道各社の記事をもとに、2026年10月28日現在の状況、2025年の圧倒的な投球成績、移籍の背景、右肘手術に至る経緯を整理します。
【2026年最新】デュプランティエの現在は?DeNA退団後の状況

2026年10月28日現在、デュプランティエはDeNAの所属選手ではありません。右肘の手術を受けた後、契約解除に向けたウェーバー公示の手続きが行われ、7月17日にはNPBから自由契約選手として公示されました。
DeNAは2026年1月5日に同投手との契約合意を発表し、背番号は「0」となりました。前年に阪神で優れた成績を残した実績から、先発ローテーションを支える投手として期待されていました。
ところが、シーズン開幕後の登板は2試合にとどまり、4月16日のヤクルト戦後にコンディション不良が判明。4月20日に出場選手登録を抹消されました。その後はリハビリを続けていたものの、状態が改善せず、米国での診察を経て手術を受けることになります。
2026年のDeNAでの成績は、以下のとおりです。
- 登板数:2試合
- 先発登板:2試合
- 勝敗:0勝2敗
- 防御率:3.00
- 投球回:9回
- 奪三振:6
防御率3.00という数字だけを見ると、投球内容が極端に悪化したようには見えません。実際、2試合、9イニングの成績だけで投手としての能力を判断するのは困難です。2026年の問題は、登板結果そのものよりも、コンディション不良によって継続的に投げられなくなった点にありました。
なお、10月28日現在、今回確認できる球団公式発表や主要報道では、DeNA退団後の新たな所属先は公表されていません。
【成績と経歴】阪神で防御率1.39・113奪三振を記録した2025年
デュプランティエの日本球界での評価を決定づけたのが、阪神でプレーした2025年シーズンです。来日1年目から先発ローテーションに入り、限られた登板機会の中で高い奪三振能力と安定した失点抑制を示しました。
NPBの2025年度個人投手成績によると、レギュラーシーズンは15試合に先発して6勝3敗、防御率1.39。投球回90回2/3に対して113奪三振を記録しています。奪三振率は9イニング当たり11.22で、打者を三振に仕留める力が際立っていました。
主な節目と成績を時系列で
| 時期 | 出来事・成績 | ポイント |
|---|---|---|
| 2016年 | ダイヤモンドバックスがMLBドラフト3巡目で指名 | ライス大学からプロ入り |
| 2019年 | MLBデビュー | アリゾナ・ダイヤモンドバックスでメジャー登板 |
| 2024年12月 | 阪神との契約を発表 | 日本球界への挑戦が決定 |
| 2025年レギュラーシーズン | 15試合、6勝3敗、防御率1.39、113奪三振 | 阪神のリーグ優勝に貢献 |
| 2025年12月 | 阪神との契約交渉が終了 | 自由契約となり、他球団との交渉が可能に |
| 2026年1月5日 | DeNAとの契約合意を発表 | 背番号0で新シーズンへ |
| 2026年4月 | コンディション不良で登録抹消 | DeNAでは2試合の登板にとどまる |
| 2026年7月8日(米国現地時間) | 右肘の靱帯再建術を受ける | インターナルブレース併用の手術 |
| 2026年7月17日 | NPBが自由契約選手として公示 | DeNAでの契約が終了 |
2025年の成績を評価するうえで注目したいのは、単に防御率が低かったことだけではありません。被安打53、被本塁打1、与四球20という記録も残しており、90回2/3を投げて被打率.168、WHIP0.81をマークしました。
WHIPは、投球回当たりに許した安打と与四球の合計を示す指標です。0.81という数字は、走者を出す頻度が非常に低かったことを表しています。三振を奪えるだけでなく、安打や四球による出塁も抑えられた点が、防御率1.39につながりました。
一方で、レギュラーシーズンの登板は15試合に限られています。シーズンを通して先発ローテーションを守り抜いた投手と同じ基準で耐久性を評価することはできません。2025年は優秀な投球能力を証明したシーズンであると同時に、年間を通じた稼働状況については別に評価する必要があるシーズンでもありました。
【ジョン・デュプランティエのプロフィール】MLB・ダイヤモンドバックス時代の経歴
デュプランティエは、米国出身の右投左打の投手です。MLB公式プロフィールに記載されているフルネームはジョン・クリストファー・デュプランティエ(Jon Christopher Duplantier)。1994年7月11日生まれで、2026年10月28日現在は32歳です。
身長は約193センチ。長い腕を生かした投球フォームと、力のある直球、落差のあるカーブ系の変化球が特徴です。
プロ入りまでの経歴は、テキサス州のセブンレイクス高校を経てライス大学へ進学し、2016年のMLBドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから3巡目、全体89位で指名されたというものです。
MLBでは2019年4月1日にデビュー。ダイヤモンドバックス時代を中心にメジャーで登板し、その後はドジャース、フィリーズ、メッツなどの傘下マイナーリーグや独立リーグでプレーしました。2024年にはブルワーズ傘下でもプレーした後、阪神との契約に至っています。
MLB公式記録に掲載されているメジャー通算成績は、19試合、1勝4敗、防御率6.70、49回2/3、46奪三振です。日本での2025年の成績と比べると、数字には大きな違いがあります。
ただし、MLB通算の登板数は19試合であり、長期間にわたってメジャーの先発ローテーションを担った実績があるわけではありません。米国での成績だけを見て、日本での活躍を予測するのは適切ではありませんでした。
阪神では日本のマウンドや打者への対応がうまく進み、速球と変化球を組み合わせた投球が結果に結びつきました。2025年の成績は、米国での実績だけでは測れない適応力を示したものです。
【阪神退団とDeNA移籍】なぜ残留せず、移籍先にDeNAを選んだのか
デュプランティエの阪神退団は、2025年12月に表面化しました。阪神は同年11月末の保留者名簿に同投手を記載せず、NPBは12月2日付で自由契約選手として公示しています。これにより、他球団との契約交渉が可能になりました。
その後も阪神は残留交渉を続けていましたが、12月13日、球団副本部長が交渉を終了したと報道陣に説明しました。スポーツ紙の報道では、複数球団が獲得に関心を示し、一時は福岡ソフトバンクホークスへの移籍が有力視されていました。
最終的にDeNAとの契約合意が発表されたのは2026年1月5日です。前年の阪神での実績に加え、DeNA側には先発投手を補強したい事情がありました。アンソニー・ケイやアンドレ・ジャクソンら、前年にチームを支えた外国人投手の流出もあり、先発陣の再編が課題になっていたためです。
一部報道では、DeNAのトレーニング施設やバイオメカニクス関連の設備、チームの優勝への意欲なども移籍先選びの背景として伝えられています。ただし、契約交渉の詳細や本人が最終的に何を最優先したのかについて、球団からすべてが公表されているわけではありません。
ここで区別したいのは、阪神を離れた理由と、2026年にDeNAを退団した理由は別だという点です。
- 阪神退団:2025年オフの契約交渉がまとまらず、自由契約となった後にDeNAと契約。
- DeNA退団:2026年の右肘の故障と手術により、今季中の競技復帰が現実的ではなくなったことが直接の理由。
阪神を離れた時点では、前年に実績を残した投手として新たな契約先を選ぶ状況でした。一方、DeNA退団時には、シーズン中の復帰が困難という医療上・競技上の事情が発生していました。両者を同じ「退団理由」として扱うと、経緯を正しく理解できません。
【右肘手術と自由契約】DeNAが契約解除に踏み切った理由
2026年のデュプランティエは、4月16日のヤクルト戦登板後にコンディション不良が判明し、4月20日に出場選手登録を抹消されました。以降は球団施設を中心にリハビリを続けていましたが、状態の改善は思うように進みませんでした。
日刊スポーツやデイリースポーツの報道によると、DeNAは米国の医師からセカンドオピニオンを得た結果、手術を勧められ、球団と本人側で協議したうえで手術を決めました。
DeNAが2026年7月10日に公表した手術内容は、右肘関節内側側副靱帯再建術(インターナルブレース併用)です。手術は米国現地時間の7月8日に行われ、球団は無事終了したと発表しました。
肘の内側側副靱帯は、投球時に肘へ加わる負荷に耐えるうえで重要な組織です。再建術は靱帯の損傷に対処するための手術であり、投手にとっては復帰までのリハビリや競技動作の再構築が必要になる場合があります。インターナルブレースは、再建した靱帯を補強する目的で使用されるものです。
手術と同じ7月10日、DeNAはデュプランティエについてウェーバー公示の手続きを行ったと発表しました。デイリースポーツなどの報道では、木村洋太球団社長が、今季中の競技復帰が現実的ではないこと、1年契約だったことを理由として説明しています。
その後、7月17日にNPBから自由契約選手として公示されました。これが、2026年シーズン中にDeNAを離れるまでの流れです。
重要なのは、球団が説明した退団理由が、右肘の手術によって今季中の復帰が見込めなくなったことだという点です。2025年に防御率1.39を記録した投手であっても、翌年に投げられなければ、チームは先発ローテーションの再構築を迫られます。
プロ野球の外国人選手契約では、選手の能力だけでなく、契約期間中にどれだけ稼働できるかも編成上の判断材料になります。DeNAの決定は、2試合の投球結果だけを理由にしたものではなく、長期離脱と今季中の復帰見通しを踏まえた判断と見るのが妥当です。
【プロの結論】ナックルカーブが生んだ強さと、2026年に残された課題
デュプランティエの2025年の成功を支えた武器の一つが、ナックルカーブです。通常の直球とは異なる軌道で打者のタイミングや目線をずらし、空振りを奪うことができる球種です。
2025年の投球データでは、ストレートの平均球速は約150.2キロ、カーブは約129.6キロでした。球速差のある球種を組み合わせることで、打者に直球を意識させながら変化球で空振りを奪う投球が成立していました。
阪神の岡田彰布オーナー付顧問も、2025年6月の試合解説でナックルカーブを評価し、右打者に対して特に有効であることや、縦方向の変化に注目していました。スポーツ紙の投球分析でも、直球の球威と変化球の組み合わせが、打者を抑える要因として挙げられています。
ただし、奪三振能力の高さと、シーズンを通して登板できる能力は別の指標です。2025年は防御率1.39、奪三振率11.22という優れた数字を残しましたが、2026年は2試合しか投げられませんでした。この差を理解することが、デュプランティエのキャリアを評価するうえで欠かせない。
今後の復帰や再契約を考える際に確認すべき要点は、次の3つです。
- 医学的な回復状況:手術後のリハビリが進み、投球動作に必要な負荷へ対応できる状態になっているか。
- 実戦復帰の見通し:ブルペン投球や実戦形式の登板を経て、先発として継続的に投げられるか。
- 契約条件と球団の編成方針:復帰までの期間、年俸、外国人選手枠、先発陣の補強状況が折り合うか。
2025年の実績を考えれば、デュプランティエには高い奪三振能力という明確な強みがあります。しかし、右肘の手術を受けた後の復帰時期や次の所属先については、実際の回復状況と球団の判断を待つ必要があります。過去の好成績だけで、復帰後も同じ水準の投球ができると断定することはできません。
また、自由契約は選手としての引退を意味するものではありません。契約関係が終了し、別の球団と契約できる状態になったことを示します。今後のキャリアは、リハビリの進捗と獲得を検討する球団の有無によって変わります。
【デュプランティエ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:デュプランティエは2026年現在、どこの球団に所属していますか?
A1:DeNAは2026年7月にウェーバー公示の手続きを行い、NPBは7月17日付で自由契約選手として公示しました。10月28日現在、今回確認できる公表情報では、その後の新たな所属先は明らかになっていません。
Q2:阪神時代の2025年の成績はどれくらい優秀だったのですか?
A2:15試合に先発し、6勝3敗、防御率1.39、113奪三振を記録しました。投球回は90回2/3、奪三振率は11.22、WHIPは0.81です。失点を抑える能力と三振を奪う能力の両方が際立ったシーズンでした。
Q3:デュプランティエの退団理由は何ですか?
A3:阪神退団の理由は、2025年オフの契約交渉がまとまらなかったことです。DeNA退団の直接的な理由は、2026年7月に右肘関節内側側副靱帯再建術を受け、今季中の復帰が現実的ではなくなったことです。2つの退団は背景が異なります。
Q4:デュプランティエは右肘のどのような手術を受けましたか?
A4:2026年7月8日(米国現地時間)に、右肘関節内側側副靱帯再建術を受けました。インターナルブレースを併用した手術で、DeNAが7月10日に公式発表しています。
Q5:デュプランティエの武器はナックルカーブですか?
A5:ナックルカーブは大きな武器の一つです。平均約150.2キロのストレートと、平均約129.6キロのカーブ系の球種を組み合わせ、打者のタイミングを外して空振りを奪う投球が特徴でした。
まとめ:デュプランティエの今後は右肘の回復と次の契約が焦点
デュプランティエは2025年、阪神で防御率1.39、113奪三振という優れた成績を残し、先発投手としての実力を示しました。しかし、2026年にDeNAへ移籍した後は、コンディション不良によって2試合の登板にとどまり、7月に右肘の靱帯再建術を受けています。
DeNAが契約解除に向けた手続きを進めた背景には、手術後の今季中の復帰が現実的ではないという判断がありました。NPBから自由契約選手として公示されたことで、DeNAとの契約は終了しています。
今後の注目点は、手術後の回復状況、実戦復帰までの期間、そして新たな所属先が決まるかどうかです。2025年の実績は確かな評価材料ですが、次の契約を判断するうえでは、健康状態と継続的に登板できる見通しが同じくらい重要になります。
阪神時代の圧倒的な投球と、DeNAでの短いシーズン。この両方を踏まえてこそ、デュプランティエの現在地と今後の可能性を正しく捉えられます。