2026年の関屋記念は、7月26日に新潟競馬場で行われ、アンパドゥが不良馬場を1分32秒4で駆け抜けて優勝しました。2着クランフォードに5馬身差をつけた圧勝劇です。レース前の追い切りでは、ダノンセンチュリーの鋭い末脚、ファーヴェントの負荷をかけた調整、エルトンバローズの坂路での好時計などが注目を集めていました。
ところが、事前の調教評価が高かった馬がすべて上位に入ったわけではありません。高評価を受けたダノンセンチュリーは11着に敗れ、評価Bだったクランフォードは2着に好走。関屋記念の追い切りを振り返ると、時計の速さだけでは見抜けない、馬場状態やレース展開、仕上がりの質を読み解く重要性が浮かび上がります。
【2026年の関屋記念】アンパドゥが5馬身差で圧勝したレースを振り返る

第61回関屋記念は、2026年7月26日(日曜)、新潟競馬場の芝1600メートル・左回り外回りコースで開催されました。JRA公式の競走成績によると、当日は雨、芝は不良。3歳以上のオープン馬14頭が出走し、ハンデキャップ競走として争われました。
勝ったのは1番人気のアンパドゥ。岩田望来騎手を背に、道中は後方で脚をため、直線で内側から鋭く伸びました。勝ち時計は1分32秒4。8番人気クランフォードを5馬身突き放し、3着には6番人気ファーヴェントが入りました。
日刊スポーツなどのレース報道によると、アンパドゥは重賞初挑戦での勝利。前走の条件クラスを制して臨んだ一戦で、連勝を伸ばしました。調教段階から評価されていた推進力と、実戦で見せた末脚が結果につながった形です。
一方、事前の注目度が高かった馬の明暗は分かれました。2番人気ダノンセンチュリーは11着、3番人気エルトンバローズは5着。調教の動きが良かった馬でも、レースで同じパフォーマンスを発揮できるとは限りません。
このレースを検証するうえで重要なのは、単純に「追い切り時計が速い馬」を探すのではなく、その馬の調教内容が当日の馬場と展開に合っていたかを考えることです。
【最終追い切り・1週前追い切り】時計と併せ馬から見えた勝負気配
関屋記念の最終追い切りは7月22日を中心に行われました。日刊スポーツの調教報道やnetkeibaの調教欄、各馬の事前診断を照合すると、注目馬の特徴は大きく3つに分かれます。長く脚を使えるタイプ、最終追い切りで動きを整えたタイプ、そして時計以上に併せ馬の内容が評価されたタイプです。
アンパドゥ:3頭併せでラスト11秒2
アンパドゥは7月22日、美浦ウッドチップコースで3頭併せを行いました。netkeibaの調教欄に掲載された時計は、6ハロン84秒4、5ハロン68秒0、4ハロン53秒4、3ハロン38秒6、ラスト1ハロン11秒2。馬なりのまま併入し、調教診断では推進力のある動きが評価されました。
1週前の7月15日にも美浦ウッドでラスト1ハロン11秒4を記録。最終追い切りで急激に負荷を高めるというより、前週からの動きを維持しながら仕上がりを整えた調整でした。
事前のアギョウトレセンの診断はA評価。最終追い切りで3頭の間に入りながら余裕のある手応えを見せた点が評価材料でした。結果は1着。事前評価と実戦の双方で、好調を裏付ける内容となりました。
ダノンセンチュリー:1週前のラスト10秒7は高評価も、結果は11着
ダノンセンチュリーは、1週前追い切りで特に目立つ時計を記録しました。サンケイスポーツの調教報道では、美浦ウッドでラスト1ハロン10秒7をマークしたことが伝えられています。7月22日の最終追い切りも美浦ウッドで単走。5ハロン68秒0、4ハロン52秒7、3ハロン38秒3、ラスト1ハロン11秒6を馬なりで記録しました。
日刊スポーツの7月23日付記事では、宮田敬介調教師が同馬の勢いと脚の持続力を高く評価し、新潟マイルへの適性にも期待を示していました。アギョウトレセンの事前診断もS評価です。
しかし、本番は11着。レースでは3コーナー9番手、4コーナー11番手から伸び切れず、上がり3ハロンは37秒1でした。調教で速い末脚を使えることと、レースの流れや馬場に対応して末脚を発揮できることは、別の能力です。
エルトンバローズ:坂路52秒8の好時計で5着
エルトンバローズは7月22日、栗東坂路で4ハロン52秒8、ラスト1ハロン12秒3を馬なりで記録しました。日刊スポーツは、前進気勢を保ちながら折り合いもつき、筋肉質の馬体を機敏に動かしていた点を評価しています。
1週前の追い切りでもCWコースのラップが注目され、アギョウトレセンの事前診断はA評価でした。本番は59キロを背負い、5着。上がり3ハロン34秒8でまとめています。好調教を実戦につなげた一方、勝ち負けまでは届きませんでした。
ファーヴェント:負荷をかけた調整が3着につながる
ファーヴェントは1週前のCWコースでしっかり負荷をかけ、併せ馬を先行する内容が評価されました。7月22日の最終追い切りは栗東坂路で4ハロン52秒7、ラスト1ハロン12秒3。終いまで伸びのある動きを見せています。
アギョウトレセンの事前診断はS評価、netkeibaの最終追い切り短評はB評価と、媒体によって評価には違いがありました。それでも実戦では先行して3着を確保。事前の高評価が結果につながった代表例です。
【全頭追い切り診断】事前評価と実際の着順を一覧で比較
ここでは、2026年関屋記念の全14頭について、事前の調教診断と最終追い切りの主な材料、実際の着順を整理します。調教評価はアギョウトレセンがレース前に公表したA・B・S評価を基準にし、時計や併せ馬の内容は日刊スポーツ、サンケイスポーツ配信記事、netkeibaの調教欄などを参考にしています。これらは各媒体による事前評価であり、JRAの公式評価ではありません。
| 馬名 | 最終追い切り・1週前の主な材料 | 事前評価 | 実際の着順・検証 |
|---|---|---|---|
| アンパドゥ | 最終は美浦Wで6F84秒4、1F11秒2。3頭併せで馬なりのまま併入。1週前は1F11秒4。 | A | 1着。好調を維持し、直線で鋭い末脚を発揮。 |
| クランフォード | 中10週で追い切り5本。7月19日にも調整し、最終追い切りはCWコース。陣営は状態の良さを評価。 | B | 2着。逃げて粘り込み、事前評価を上回る走り。 |
| ファーヴェント | 1週前のCWで負荷をかけ、併せ馬に先着。最終は栗東坂路52秒7、1F12秒3。 | S | 3着。先行して粘り、調教での好状態を実戦につなげた。 |
| ブエナオンダ | 1週前の坂路で4F50秒6。最終は坂路54秒4、1F12秒2で調整。 | A | 4着。14番人気ながら上位入線。追い切り評価が結果に表れた一例。 |
| エルトンバローズ | 1週前はCWで速いラップ。最終は栗東坂路52秒8、1F12秒3を馬なりで記録。 | A | 5着。59キロを背負いながら上位争いに加わった。 |
| マテンロウスカイ | 1週前の坂路は一杯に追って終い12秒3。最終は坂路52秒3、1F12秒2。 | B | 6着。好時計は出たものの、上位争いには届かなかった。 |
| ジュタ | 最終は栗東坂路53秒2、1F12秒2。併せ馬に0秒2遅れた点が懸念材料。 | B | 7着。調教での併せ馬の反応に対する懸念を払拭できなかった。 |
| レディマリオン | 最終は坂路54秒3、1F11秒9。1週前の併せ馬でも先着する動き。 | A | 8着。52キロのハンデを生かし切れず、中団から伸びを欠いた。 |
| サンダーストラック | 1週前に美浦Wの6F自己ベストを更新。最終も終い1F11秒0と鋭い動き。 | A | 9着。追い切りの動きは良かったが、実戦で上位進出できなかった。 |
| シリウスコルト | 最終は単走で軽めの調整。陣営は十分に乗り込んできたと説明。 | B | 10着。3番手付近で運んだものの、直線で失速した。 |
| ダノンセンチュリー | 1週前の美浦Wで終い10秒7。最終は5F68秒0、1F11秒6を馬なりで記録。 | S | 11着。高評価の追い切りを実戦の結果に結び付けられなかった。 |
| ドロップオブライト | 1週前のCWで6F80秒5、終い1F10秒9。末脚の鋭さが注目された。 | A | 12着。調教での切れ味を本番で発揮できなかった。 |
| ランスオブカオス | 最終のCWで終い1F11秒4。併せ馬に楽な手応えで先着。 | A | 13着。追い切りの動きは悪くなかったが、レースでは大きく失速。 |
| メタルスピード | 最終追い切りでは併せ馬に対して優勢の手応え。時計よりも動きの改善が評価された。 | A | 14着。事前の動きの良さを着順に反映できなかった。 |
全頭を比較すると、アンパドゥ、ファーヴェント、ブエナオンダ、エルトンバローズのように、事前の調教評価が上位入線につながった馬がいる一方、ダノンセンチュリーやドロップオブライトのように、追い切りで鋭い時計を出しながら着順を落とした馬もいます。
特に注目したいのは、クランフォードの2着です。事前診断では追い切り本数や時計が懸念され、B評価にとどまっていました。それでも実戦では先頭を走り、最後まで粘りました。調教時計だけでなく、馬の脚質と展開がかみ合うかどうかも予想には欠かせない。
【調教評価と着順の関係】好時計でも走らない馬、評価Bでも好走した馬
2026年の関屋記念を振り返ると、追い切り評価の使い方について3つの教訓が得られます。
1.ラスト1ハロンの速さだけでは勝ち馬を決められない
ダノンセンチュリーの1週前追い切りで記録されたラスト1ハロン10秒7は、出走馬の中でも目を引く時計でした。しかし、本番では11着。追い切りは、競走馬がどれだけ速く走れるかを測るだけのものではありません。道中の折り合い、長く脚を使う能力、当日の馬場への対応なども結果を左右します。
調教で速い時計を出せる馬ほど、レースでも同じ脚を使えると考えがちですが、これは誤解です。速いラップを出したときに余力があったのか、強く追われて出した時計なのか、前半から力んでいなかったかまで確認する必要があります。
2.併せ馬は先着・遅れだけでなく、手応えを確認する
アンパドゥは最終追い切りの3頭併せで併入し、馬なりでもラスト1ハロン11秒2を記録しました。単に併せた相手と同じタイミングでゴールしたのではなく、余裕のある手応えで走れていた点が評価材料です。
反対に、ジュタは最終追い切りで併せ馬に0秒2遅れました。調教診断では、普段の動きと比較して物足りない点が懸念されています。ただし、併せ馬で遅れたから必ず凡走するわけではありません。相手の能力、追い始めた位置、騎乗者の指示、馬なりか強めかといった条件を合わせて判断すべきです。
3.不良馬場では、良馬場の調教評価をそのまま当てはめない
当日の新潟芝は不良でした。JRA公式のラップタイムによると、最初の600メートルは34秒0、1000メートル通過は58秒1。勝ち馬アンパドゥの上がり3ハロンは33秒7でした。
この結果から分かるのは、雨で馬場が悪化した状況でも、アンパドゥが直線で鋭い末脚を使ったことです。一方、先行したクランフォードは2着に粘り込みました。後方から差す能力と、先行して持続的に脚を使う能力の両方が結果に表れています。
追い切り映像で軽快に動く馬が、重い芝でも同じように走れるとは限りません。馬場適性を判断する際は、過去の道悪成績や走法、脚質も合わせて確認する必要があります。
【新潟芝1600m適性】追い切り時計の見方と調教動画のチェックポイント
関屋記念の舞台は、新潟競馬場の芝1600メートル外回りです。直線での末脚が勝負を左右しやすいコースですが、単純に上がり3ハロンの速い馬を買えばよいわけではありません。序盤の位置取り、道中の折り合い、直線で進路を確保できるかなど、複数の要素が関係します。
新潟芝1600メートルへの適性を追い切りから判断するときは、次の項目に注目してください。
- ラスト1ハロン:終いの反応を見る基本材料。ただし、全体時計や負荷とセットで評価する。
- 全体時計:長めから負荷をかけたのか、終い重点の軽い調整なのかを区別する。
- 加速ラップ:最後に向けてスムーズに加速できているかを確認する。数字だけでなく、走りのリズムも重要。
- 併せ馬の手応え:先着・併入・遅れの結果に加え、相手を追走したのか、先行したのか、どれほど余裕があったのかを見る。
- 1週前からの変化:前週に負荷をかけ、最終追い切りで動きを整えるなど、調整過程に一貫性があるかを確認する。
調教タイムの見方で特に注意したいのは、コースごとの違いです。美浦・栗東のウッドチップコースと坂路では走る距離や負荷のかかり方が異なり、時計を単純比較することはできません。坂路の4ハロン52秒台と、ウッドの5ハロン68秒台を数字だけで並べて、どちらが優秀かを決めるのは適切ではありません。
また、追い切り動画を見る場合は、馬の首の使い方、前後の脚の運び、騎手の手綱への反応、併せ馬での位置取りを確認しましょう。JRA公式チャンネルは2026年7月24日、関屋記念の調教動画を公開しました。netkeibaでも同日、ファーヴェント、アンパドゥ、エルトンバローズ、ダノンセンチュリーなどの調教映像が配信されています。
映像を見て判断に迷った場合は、時計と動きを分けて考えると整理しやすくなります。時計は能力や負荷の一端を示し、映像はその時計をどのような走りで出したかを補足します。両方がそろって初めて、調教内容の意味が見えてきます。
【プロの結論】関屋記念の調教評価ランキングを馬券判断に生かす方法
2026年の結果を踏まえて、追い切りを馬券判断に使う際の優先順位を整理します。
最優先は、時計・動き・調整過程の3点が一致している馬
アンパドゥは、1週前の美浦ウッドでラスト1ハロン11秒4、最終追い切りでは11秒2を記録しました。3頭併せで余裕のある動きを見せ、実戦では後方から鋭く伸びて優勝しています。追い切りの時計、走りの内容、実戦での末脚が一貫していた点が大切です。
ファーヴェントも、1週前の負荷をかけた調整から最終追い切りまで、状態の良さが伝えられていました。結果は3着。こうした馬は、単に終いの時計が速いだけでなく、調整過程を通じて状態の裏付けがある点を評価できます。
調教評価ランキングは、着順の予測順位とは別物
ダノンセンチュリーは事前のS評価にもかかわらず11着でした。反対に、B評価だったクランフォードは2着。ブエナオンダもA評価を受けて14番人気から4着に入っています。
この結果を踏まえると、調教評価は「その馬が能力を発揮できる状態にあるか」を考えるための材料であり、着順を直接予測する順位ではありません。馬の能力、斤量、脚質、コース適性、当日の馬場状態と組み合わせて、初めて予想に生かせます。
実際の予想で使うなら、この順番で確認する
- 1週前追い切り:十分な負荷をかけられているか、終いの反応に鋭さがあるかを確認する。
- 最終追い切り:状態を維持できているか、疲労や力みが見られないかを確認する。
- 併せ馬と動画:時計の出方に無理がないか、手応えやフォームに問題がないかを確認する。
- コース・馬場・斤量:新潟芝1600メートルへの適性や道悪実績、負担重量とのバランスを考える。
- 最終判断:調教評価と実績、展開予測が一致する馬を優先し、評価の高い馬を無条件に買わない。
追い切り評価が役立つのは、人気馬を持ち上げるためだけではありません。ブエナオンダやクランフォードのように、人気や事前評価だけでは見落としやすい馬を再検討する材料にもなります。一方、時計を重視しすぎる人や、併せ馬の先着だけで好調と判断する人は、調教情報を過大評価しやすいため注意が必要です。
【関屋記念追い切り】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の関屋記念で最も注目された追い切りはどの馬ですか? A1:アンパドゥは最終追い切りで美浦ウッドのラスト1ハロン11秒2を記録し、3頭併せでも余裕のある動きを見せました。ダノンセンチュリーの1週前追い切りのラスト10秒7、エルトンバローズの坂路4ハロン52秒8も注目を集めました。
Q2:追い切り評価がSなら、馬券で軸にしても大丈夫ですか? A2:S評価は好状態を示す有力な材料ですが、着順を保証するものではありません。2026年はS評価だったファーヴェントが3着に入る一方、ダノンセンチュリーは11着でした。馬場適性、展開、斤量も含めて判断することが大切です。
Q3:関屋記念の追い切り時計は、どこを見ればよいですか? A3:JRA公式チャンネルの調教動画、netkeibaの調教タイム欄、競馬専門紙の追い切り記事などが参考になります。全体時計とラスト1ハロン、併せ馬の内容、1週前からの調整過程を合わせて確認しましょう。
まとめ:2026年の関屋記念から学ぶ、失敗しない追い切り評価
2026年の関屋記念は、アンパドゥが最終追い切りの好内容を実戦につなげ、5馬身差の圧勝を飾りました。一方、ダノンセンチュリーの11着やクランフォードの2着は、追い切り評価と実際の着順が必ずしも一致しないことを示しています。
関屋記念の調教評価を予想に生かすなら、最終追い切りの時計だけでなく、1週前追い切りからの変化、併せ馬での手応え、調整過程の一貫性を確認することが基本です。そこに新潟芝1600メートルへの適性、当日の馬場状態、斤量、展開を加えれば、好調教馬をより立体的に見極められます。
最も大切なのは、追い切り評価を着順そのものと考えないことです。 調教は馬の状態を推測する手段であり、レース結果を決める唯一の要素ではありません。好時計の背景まで読み解き、実績やコース適性と照らし合わせることが、次の関屋記念でも精度の高い予想につながります。