2025年から2026年にかけて上演されたミュージカル『エリザベート』で、望海風斗はオーストリア皇后エリザベート、通称シシィを演じました。宝塚歌劇団時代にルイジ・ルキーニを演じ、退団後のガラ・コンサートではトートにも挑戦した望海風斗にとって、今回の皇后役は作品との関係を大きく変える節目となりました。
注目すべきは、2014年の宝塚歌劇団花組公演で共演した明日海りおとのダブルキャスト、梅田芸術劇場・博多座を含む全国公演の経緯、そして2027年発売予定のBlu-ray情報です。2026年10月現在、今回の公演はすでに終了していますが、望海風斗がルキーニからトート、そしてエリザベートへと役柄を広げた歩みを振り返ることで、この配役の意味が見えてきます。
【2026年最新】望海風斗が演じた『エリザベート』の役柄は皇后シシィ

今回の配役で最も重要なのは、望海風斗が長年親しんできた『エリザベート』で、ついにタイトルロールを務めたことです。
東宝版ミュージカル『エリザベート』は、脚本・歌詞のミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲のシルヴェスター・リーヴァイによる作品です。実在したオーストリア皇后エリザベートの生涯を軸に、自由を求める女性と、彼女を愛する黄泉の帝王トートとの関係を描きます。日本では1996年に宝塚歌劇団版、2000年に東宝版が初演されました。
2025〜2026年公演は、東宝版初演から25周年を迎える節目の上演でした。東宝の公式発表では、エリザベート役に望海風斗と明日海りおを新たに迎え、トート役には古川雄大、井上芳雄、山崎育三郎を起用。複数の実力派俳優が組み合わさるキャスティングも大きな特徴となりました。
望海風斗が演じるエリザベートは、皇后という立場にありながら、自分の人生を他人に決められることに抵抗し、自由を求め続ける女性です。若い日の無邪気さから、宮廷での孤独、家族との関係、年齢を重ねるなかでの葛藤まで、長い人生の変化を舞台上で表現する必要があります。
望海風斗は宝塚歌劇団の元雪組トップスターで、2021年4月11日に退団。その後もミュージカルを中心に活躍し、読売演劇大賞優秀女優賞などを受賞してきました。男役として培った歌唱力や舞台上での存在感を持ちながら、女性の生涯を演じることが今回の大きな挑戦でした。
なお、2026年10月現在、今回の東宝版『エリザベート』の公演期間は終了しています。現在上演中の作品として紹介するのではなく、2025〜2026年公演の成果と、今後発売される映像作品を分けて把握することが大切です。
【出演の経緯】2014年のルキーニ、2021年のトートを経て皇后役へ
望海風斗と『エリザベート』の関係を理解するには、2025年の皇后役だけを見るのでは不十分です。2014年の宝塚版、2021年の25周年ガラ・コンサート、そして2026年の30周年ガラ・コンサートまでを並べると、同じ作品のなかで異なる人物を演じてきた経歴が浮かび上がります。
2014年の宝塚歌劇団花組公演で望海風斗が演じたのは、ルイジ・ルキーニです。ルキーニは物語の進行を担い、エリザベート暗殺事件を軸に皇后の生涯を語る重要な人物。望海風斗は当時、花組に在籍し、明日海りおがトートを演じる舞台に出演していました。
このときの2人は、望海風斗がルキーニ、明日海りおがトートという組み合わせでした。約11年後、同じ作品で2人がそろってエリザベート役を務めることになった点は、宝塚時代からのキャリアを知るファンにとって特別な意味を持ちます。
2021年の『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』では、望海風斗はルキーニに加えてトートにも挑戦しました。梅田芸術劇場の公式資料では、フルコスチューム版などでのルキーニ役と、アニヴァーサリー・スペシャル版でのトート役が確認できます。
特にトート役は、宝塚歌劇団退団後の望海風斗にとって、従来の男役としての魅力を別の形で発揮する機会となりました。そして2025〜2026年公演では、物語の中心人物であるエリザベートを演じることになります。
本人が出演決定時のインタビューで語った内容からも、この配役が予想外の挑戦だったことがうかがえます。VOCEのインタビューでは、それまで自分が演じる可能性を考えていたのはルキーニやトートであり、エリザベート役の機会には驚きと不安があったと振り返っています。
さらに2026年には、宝塚歌劇団の日本初演30周年を記念したガラ・コンサートにも出演。梅田芸術劇場の公演情報では、アニヴァーサリー'14花組スペシャル版で望海風斗が再びトートを演じることが案内されました。皇后役を経たあとも、作品とのつながりが続いている点は注目です。
【年表で比較】望海風斗の『エリザベート』出演歴と歴代配役
これまでの出演歴を時系列で整理すると、望海風斗が同じ作品のなかで異なる立場の人物を経験し、表現の幅を広げてきたことが分かります。
| 時期 | 公演・出演歴 | 望海風斗の役柄 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 2014年8〜9月 | 宝塚歌劇団花組『エリザベート-愛と死の輪舞-』 | ルイジ・ルキーニ | 明日海りおがトートを演じた花組公演 |
| 2021年 | 『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』 | ルキーニ、トート | 過去の役柄を再演し、トートにも挑戦 |
| 2025年10〜11月 | 東宝版『エリザベート』東京公演 | エリザベート | 東宝版初演25周年のタイトルロール |
| 2025年12月〜2026年1月 | 札幌・大阪・福岡公演 | エリザベート | 梅田芸術劇場メインホール、博多座などで上演 |
| 2026年2〜3月 | 『エリザベート TAKARAZUKA30周年 スペシャル・ガラ・コンサート』 | トート | アニヴァーサリー'14花組スペシャル版に出演 |
| 2027年2月26日予定 | 2025年キャスト公演Blu-ray | エリザベート | 望海風斗版を含む全5種類の発売予定 |
※出演歴は宝塚歌劇団公式プロフィール、望海風斗公式プロフィール、梅田芸術劇場および東宝の公演情報をもとに整理しています。Blu-rayの発売日は公式案内に基づく予定日です。
この年表で注目したいのは、ルキーニからトート、そしてエリザベートへという役柄の変化です。ルキーニは物語を語る側、トートはエリザベートの運命に深く関わる側、そしてエリザベートは自分自身の人生を生きる中心人物です。
同じ作品を異なる視点から経験したことは、人物同士の関係や物語の構造を立体的に捉えるうえで強みになります。今回の皇后役は、過去の出演歴を切り離した新しい挑戦というより、長年の作品経験を別の人物像へとつなげた仕事として理解できます。
【ダブルキャスト比較】望海風斗と明日海りおのシシィは何が違う?
2025〜2026年公演の大きな見どころは、望海風斗と明日海りおが同じエリザベート役を演じたことです。2人は宝塚歌劇団時代に共演経験があり、今回は同じ作品のタイトルロールを担う立場になりました。
ただし、ダブルキャストは単純にどちらが優れているかを決めるための仕組みではありません。同じ脚本、楽曲、演出のなかで、俳優それぞれの声質、身体表現、感情の動かし方が異なるため、同じ人物でも異なる輪郭が生まれます。
望海風斗のシシィについて、ステージナタリーのインタビューでは、本人が東宝版の魅力を「生き抜く強さ」という観点から捉えていることが紹介されています。宝塚版の幻想性や美しさに対する思い入れを持ちながら、東宝版では一人の人間が人生を懸命に生きる姿がより鮮明に感じられたと語っています。
また、役の核として挙げたのが「パパみたいに(リプライズ)」と「夜のボート」です。前者は自分の人生と向き合う痛み、後者は夫フランツとの長い関係に宿る感情が表れる場面です。若い皇后の華やかさだけでなく、時間を重ねた人物の内面をどう表現するかが、望海風斗版を読み解く手掛かりになります。
明日海りおのシシィについては、ステージナタリーのインタビューで、本人が生きるエネルギーを役の核として考えていることが語られています。再演を重ねた作品に一定の型がある一方で、その瞬間の自分自身の感情を通わせることを大切にしているという考え方です。
さらに明日海りおは、望海風斗のシシィについて、繊細さが強く表れ、守ってあげたくなるような雰囲気があると評しています。同じ役を演じる俳優本人の視点からも、2人の表現に違いがあることが伝わってきます。
比較する際には、次の3つの観点が有効です。
- 感情表現:強さ、繊細さ、孤独をどのような表情や動作で見せるか。
- 歌唱表現:声の響き、フレーズの運び、歌詞の意味をどう伝えるか。
- 人生の変化:少女時代から晩年までの年齢や心境の移り変わりをどう描き分けるか。
同じ場面や楽曲を比較できる映像がそろえば、俳優ごとの解釈をより具体的に検討できます。一方で、観劇する日の共演者やトート役の違いも舞台の印象に影響するため、エリザベート役だけで作品全体の違いを説明することはできません。
【公演日程とキャスト一覧】梅田芸術劇場・博多座での上演は終了
今回の東宝版『エリザベート』は、2025年10月に東京で開幕し、北海道、大阪、福岡へと巡演しました。2026年1月31日の博多座公演をもって、今回の公演日程は終了しています。
東宝公式サイトなどで案内された主な公演日程は以下のとおりです。
- 東京:2025年10月10日〜11月29日、東急シアターオーブ
- 北海道:2025年12月9日〜18日、札幌文化芸術劇場 hitaru
- 大阪:2025年12月29日〜2026年1月10日、梅田芸術劇場メインホール
- 福岡:2026年1月19日〜31日、博多座
主要キャストは次のとおりです。
- エリザベート:望海風斗/明日海りお
- トート:古川雄大/井上芳雄/山崎育三郎
- フランツ・ヨーゼフ:田代万里生/佐藤隆紀
- ルドルフ:伊藤あさひ/中桐聖弥
- ゾフィー:涼風真世/香寿たつき
- ルイジ・ルキーニ:尾上松也/黒羽麻璃央
- ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希
トート役は全公演で同じキャストが出演したわけではありません。東京公演では井上芳雄、地方公演では山崎育三郎が出演する日程が設けられ、古川雄大も加わるトリプルキャストでした。フランツ・ヨーゼフやルドルフなどにもダブルキャストがあり、観劇日によって舞台の組み合わせが変わりました。
そのため、「望海風斗版を見た」という情報だけでは、舞台の印象を完全には特定できません。トート役やフランツ役などの組み合わせを含めて記録しておくと、後から映像を見比べる際にも役立ちます。
【評判と見どころ】歌唱力だけでは語れない望海風斗版の魅力
望海風斗の舞台を評価する際、まず注目されるのが歌唱力です。宝塚歌劇団時代から培ってきた声の安定感や、楽曲の感情を押し出す表現力は、長い人生を描く『エリザベート』でも重要な要素になります。
ただし、皇后役に求められるものは歌の技術だけではありません。エリザベートは、若い日の自由への憧れから、宮廷での孤立、母としての苦悩、夫との距離、そして自分の生き方への問いまで、多くの感情を抱える人物です。観客は歌唱の完成度に加え、人物が変化していく過程に説得力があるかどうかを見ています。
舞台ナタリーのインタビューで望海風斗が取り上げた「パパみたいに(リプライズ)」と「夜のボート」は、その点を考えるうえで象徴的な楽曲です。人生を振り返る痛みと、長年連れ添った相手との複雑な愛情を描く場面だからこそ、声の強さだけでなく、言葉の間や感情の揺れも見どころになります。
また、2025年公演に関する観劇評では、望海風斗の安定した歌唱や、第2幕以降の人物表現の深まりに注目した論評が見られます。一方、若い時期のシシィをどのように表現するかは、観客の好みによって受け止め方が分かれ得る部分です。個々の感想をすべての観客の総意として扱うのではなく、歌唱、人物の年齢表現、後半の心理描写という具体的な観点で見ると、評価の違いを理解しやすくなります。
歴代キャストとの比較でも、単純な歌唱力ランキングを作るより、各時代の演出やキャスト構成、宝塚版と東宝版の作品解釈を踏まえることが大切です。宝塚版では男役のトートと娘役のエリザベートが生み出す幻想性が大きな魅力となり、東宝版では実在した人物の生涯や人間関係を異なる角度から描くことができます。
望海風斗の魅力は、こうした作品の違いを経験したうえで、皇后エリザベートの人生を自分の表現で組み立てた点にあります。2014年のルキーニ役を知っている観客にとっては、かつて物語を語る側にいた俳優が、今度は語られる人物そのものになったことも大きな見どころです。
【Blu-ray発売情報】望海風斗版は2027年2月26日発売予定
2025〜2026年公演を映像で振り返りたい人にとって、重要なのが東宝公式サイトで発表された2025年キャスト公演Blu-rayです。望海風斗版は2027年2月26日発売予定で、価格は税込3万9,000円。2026年10月時点では、発売に先立つ予約受付が案内されています。
望海風斗版のセットには、エリザベート役を望海風斗が演じ、トート役にそれぞれ古川雄大、井上芳雄、山崎育三郎を迎えた本編3種類が収録されます。さらにボーナスディスクと、キャスト紹介・舞台写真などを掲載したスペシャルステージフォトブックが付属します。
本編の収録公演は、2025年11月の東急シアターオーブと、2026年1月の博多座です。バリアフリー日本語字幕にも対応すると案内されています。
同じ望海風斗のシシィでも、トート役が変われば、視線の交わし方や歌の受け渡し、場面の緊張感などに異なる印象が生まれます。3種類の組み合わせを比較できることは、今回のBlu-rayの大きな特徴です。
なお、公式のラインナップは望海風斗版だけではありません。明日海りお版、古川雄大版、井上芳雄版、山崎育三郎版も用意されています。エリザベート役を基準に比較したい人は望海風斗版と明日海りお版、トート役を基準に比較したい人は各トート版というように、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
発売日は今後変更される可能性もあるため、予約や購入を検討する際は東宝の公式商品案内で最新の情報を確認してください。
【エリザベート望海風斗】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:望海風斗は『エリザベート』で何の役を演じましたか? A1:2025〜2026年の東宝版では、オーストリア皇后エリザベートを演じました。2014年の宝塚歌劇団花組公演ではルイジ・ルキーニ、2021年の25周年ガラ・コンサートではルキーニとトートを担当しています。
Q2:望海風斗と明日海りおは、どちらもエリザベート役ですか? A2:はい。2025〜2026年の東宝版ではダブルキャストとして、2人がエリザベートを演じました。明日海りおは望海風斗のシシィについて、繊細さが際立つ人物像として受け止めていることをインタビューで語っています。
Q3:望海風斗が出演した『エリザベート』の公演は2026年もありますか? A3:今回の東宝版は2026年1月31日の博多座公演で終了しました。その後、2026年2〜3月の『エリザベート TAKARAZUKA30周年 スペシャル・ガラ・コンサート』ではトート役で出演しています。2025〜2026年の東宝版と、30周年ガラ・コンサートは別の公演です。
Q4:望海風斗版『エリザベート』のBlu-rayはいつ発売されますか? A4:東宝公式サイトでは、2027年2月26日発売予定と案内されています。望海風斗版は税込3万9,000円で、古川雄大、井上芳雄、山崎育三郎の各トートとの本編3種類などを収録する予定です。
まとめ:望海風斗の『エリザベート』を理解する3つの視点
望海風斗と『エリザベート』の関係は、2014年のルキーニ役から始まり、2021年のガラ・コンサートでのトート役を経て、2025〜2026年の皇后エリザベート役へと広がりました。同じ作品のなかで物語を語る人物、運命をもたらす人物、そして人生を生き抜く主人公を経験してきたことが、今回の配役を理解するうえで重要な背景です。
明日海りおとのダブルキャスト比較では、どちらが上かという結論を急ぐより、歌唱表現、繊細さ、人生の変化の描き方に注目すると、それぞれのシシィの魅力が見えてきます。また、梅田芸術劇場や博多座での公演日程はすでに終了していますが、2027年2月26日発売予定のBlu-rayによって、舞台を振り返る機会が予定されています。
これから作品を知る人は、まず2014年の宝塚版でのルキーニ役、2021年のガラ・コンサートでのトート役、そして2025〜2026年の皇后役という3つの節目を押さえるのがおすすめです。その変化をたどることで、望海風斗が『エリザベート』という作品のなかで積み重ねてきた表現と、タイトルロールに挑んだ意味をより深く味わえます。