「BORUTO(ボルト)の作者は岸本斉史先生なの?」「池本幹雄先生との役割分担はどうなっている?」「第52話から何が変わったの?」――『NARUTO-ナルト-』の続編を読むうえで、こうした疑問を持つ読者は少なくありません。
2026年10月現在、漫画『BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-』の公式な著者表記は、原作・監修が岸本斉史、漫画が池本幹雄です。ただし、岸本先生が全話の脚本や作画を直接担当しているという意味ではありません。2024年のパリでのインタビューでも、岸本先生自身が池本先生の担当範囲について説明しています。2019年の『Vジャンプ』への移籍と、2020年の第52話を境にした制作体制の変更を区別すると、現在の関係が理解しやすくなります。
【結論】ボルトの岸本先生は何を担当している?池本先生との違い

最初に整理しておきたいのは、「岸本斉史先生が作者」という表現には、作品全体の原作・監修を担うという意味と、各話のストーリーや作画を直接制作するという意味が混在していることです。この2つを同じものとして扱うと、制作体制を誤解してしまいます。
集英社の公式コミックス情報では、『BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-』の著者欄に、池本幹雄先生が「著者」、岸本斉史先生が「原作・監修」と記載されています。作品の公式な役割分担を知るうえで、まず確認すべき基本情報です。
| 人物・役割 | 主な担当 | 押さえておきたいポイント |
|---|---|---|
| 岸本斉史 | 原作・監修 | 『NARUTO』の作者。『BORUTO』の物語に関する原案・監修を担う立場として公式表記されている。 |
| 池本幹雄 | 漫画 | 『BORUTO』の漫画制作を担う漫画家。現在の公式コミックスでも漫画担当として記載されている。 |
| 小太刀右京 | 初期シリーズの脚本 | 第52話までの制作体制で脚本を担当。2020年の公式発表で、制作体制の変更に伴う担当終了が告知された。 |
特に重要なのは、岸本先生の「原作・監修」というクレジットだけを根拠に、全エピソードの脚本を一人で書いていると判断しないことです。
2025年7月17日に『NARUTO』『BORUTO』の公式サイトが公開したインタビューで、岸本先生は『BORUTO』では池本先生がストーリーと作画のすべてを担当していると説明しました。そのうえで、作品について「これは本当に池本君の漫画なのです」という趣旨の発言をしています。
つまり、岸本先生の原作・監修としての立場と、池本先生が漫画家として作品を具体化していく実務は、分けて理解する必要があります。公式クレジットと制作当事者の説明を合わせて読むことが、作者をめぐる疑問を解く近道です。
【時系列】2019年のVジャンプ移籍から第52話までに何が起きた?
「ボルトの作者交代」という検索では、2019年と2020年の出来事が一緒に語られがちです。しかし、2019年は連載誌の移籍、2020年は制作体制の変更という違いがあります。順番に確認すると、岸本先生の担当範囲が変化した経緯が見えてきます。
| 時期 | 出来事 | 制作体制・意味 |
|---|---|---|
| 2016年5月 | 『週刊少年ジャンプ』で連載開始 | 岸本斉史が原作・監修、池本幹雄が漫画、小太刀右京が脚本を担当する体制。 |
| 2019年7月20日 | 『Vジャンプ』9月号で移籍連載開始 | 連載誌が変更された。これ自体が作者交代を意味するわけではない。 |
| 2020年11月16日 | 公式アカウントが制作体制の変更を発表 | 第52話を区切りに、当初からの予定に沿って体制を変更すると告知。 |
| 2020年11月21日 | 『Vジャンプ』12月号に第52話掲載 | 小太刀右京の脚本担当終了と、以降の岸本斉史の原案を基にした連載方針が示された。 |
| 2023年8月 | 『TWO BLUE VORTEX』がスタート | 物語は新たな段階へ。公式コミックスでは池本幹雄が漫画、岸本斉史が原作・監修を担当。 |
| 2024年8月 | パリで「KONOHA EXPERIENCE」開催 | 岸本斉史と池本幹雄が登壇し、制作方法や作品についてファンの質問に答えた。 |
| 2026年10月2日 | 『TWO BLUE VORTEX』第9巻発売 | 集英社の公式書誌でも池本幹雄が著者、岸本斉史が原作・監修と記載されている。 |
2019年の移籍については、ORICON NEWSやMANTANWEBが当時の連載開始を報じています。『BORUTO』は2016年5月から『週刊少年ジャンプ』で連載され、2019年7月20日発売の『Vジャンプ』9月号から移籍連載が始まりました。
この段階では、岸本先生が原作・監修、池本先生が作画、小太刀先生が脚本を担当する体制が続いていました。したがって、「2019年に岸本先生へ作者が交代した」という説明は正確ではありません。
制作体制が変わる節目となったのは、2020年11月の公式発表です。第52話をもって変更すると告知されたため、厳密には「第52話を区切りに、第53話以降の制作体制が変わった」と理解するのが適切です。
【作者交代の真相】なぜ第52話で制作体制が変更されたのか
2020年11月16日、NARUTO・BORUTOの原作公式アカウントは、『Vジャンプ』12月号に掲載される第52話をもって、当初からの予定に則って制作体制を変更すると発表しました。それまで脚本を担当していた小太刀右京先生への謝意も示し、以降は岸本斉史先生の原案を基に連載すると説明しています。
この発表から分かるのは、制作体制の変更が公式には「当初からの予定」と説明されていることです。少なくとも発表文には、作品の人気低下や読者の批判を理由とする説明はありません。
そのため、「岸本先生が人気回復のために急きょ復帰した」「小太刀先生が何らかの問題を起こして降板した」といった説明を、確定した事実として扱うことはできません。発表で示されたのは、脚本担当の交代と、岸本先生の原案を基にした連載への移行です。
この変更を理解するうえでは、3つの点を押さえる必要があります。
- 小太刀右京先生:第52話までの脚本担当。制作体制変更により、その担当を終えた。
- 岸本斉史先生:変更後の連載について、公式発表で原案を担う立場が示された。
- 池本幹雄先生:漫画担当を継続。制作体制の変更によって漫画家としての担当がなくなったわけではない。
ここで注意したいのが、「作者交代」という言葉の意味です。小太刀先生から岸本先生への変更は、主としてストーリー制作体制に関する話です。漫画そのものを描く担当者が岸本先生に代わったわけではありません。
また、公式発表は「岸本先生が原案を担当する」と説明していますが、それだけで岸本先生が第53話以降の全話の脚本を一人で執筆したとまでは断定できません。現在の制作実務については、後年のインタビューも併せて確認する必要があります。
【岸本斉史と池本幹雄】現在の役割分担をパリの公式インタビューから読み解く
現在の制作体制を知るうえで、重要な一次情報が2024年8月にフランス・パリで開催された「KONOHA EXPERIENCE」です。『NARUTO』『BORUTO』のフランス語版を刊行する出版社KANAが主催し、岸本先生と池本先生が登壇しました。
このイベントでの質疑応答は、2025年7月17日にNARUTO OFFICIAL SITEで公開されています。公式サイトによれば、両者はファンからの質問に直接答え、『NARUTO』時代と『BORUTO』時代の仕事の進め方の違いについても説明しました。
岸本先生の説明では、『NARUTO』では自らストーリーと作画を担当し、当時アシスタントだった池本先生が背景や影分身などを描いていました。一方、『BORUTO』では仕事の進め方が大きく異なり、現在は池本先生がストーリーと作画を担当しているとのことです。
この発言は、「岸本先生が原作・監修なら、すべての話を岸本先生が書いているはず」という解釈を見直すうえで大切です。公式の担当表記と、漫画家本人が語る日々の制作実務は、必ずしも同じ粒度の情報ではありません。
整理すると、次のようになります。
- 岸本先生の役割:公式クレジットでは原作・監修。作品の原案や監修に関わる立場であり、現在の漫画制作をすべて自ら行っているわけではない。
- 池本先生の役割:公式クレジットでは漫画担当。インタビューではストーリーと作画の両方を担っていると説明している。
- 読者が知っておきたい点:「原作・監修」という表記だけから、各話の執筆方法や監修の頻度まで推測することはできない。
また、岸本先生は同じインタビューで、池本先生が『BORUTO』の制作で苦労していることにも触れ、読者に応援を呼びかけました。これは、岸本先生が作品の制作から完全に切り離されているという単純な理解とも異なります。
つまり、岸本先生が原作・監修として関わりながら、池本先生が漫画家としてストーリーと作画を担う――これが、公式クレジットと当事者の説明を組み合わせたときに見えてくる関係です。
【TWO BLUE VORTEX】岸本先生は2026年現在もボルトに関わっている?
2026年現在も、『BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-』の公式な著者表記には岸本斉史先生の名前があります。集英社の公式書誌では、2026年2月4日発売の第7巻、6月4日発売の第8巻、10月2日発売の第9巻について、池本幹雄先生を著者、岸本先生を原作・監修として掲載しています。
この継続的な公式表記は、岸本先生が『BORUTO』の制作に関わる立場を維持していることを示す、具体的な根拠です。ただし、クレジットが続いていることと、毎回の物語を岸本先生が単独で執筆していることは別の話です。
『TWO BLUE VORTEX』は、前シリーズから物語が進展した続編です。集英社の公式書誌では、ボルトとカワキの立場が逆転し、ボルトがナルトを殺した反逆者として追われる状況から物語が展開すると紹介されています。
2026年の活動を確認する際には、単行本の発売情報と公式クレジットが有力な手がかりになります。第9巻が2026年10月2日に発売されたことからも、少なくとも作品そのものは現在進行形で展開しています。
一方、岸本先生の新作漫画については、別の視点が必要です。2024年のパリでのインタビューでは、『NARUTO』の主人公ナルトの出自や、期待を背負うことの重圧について語り、そうしたテーマについて「いつか、その答えを漫画で描いてみせます」という趣旨の意欲を示しました。
これは新しいテーマを漫画で描きたいという意思を示す発言です。しかし、それ自体が新作の正式発表を意味するわけではありません。2026年10月時点で、具体的な作品名や連載開始日を伴う新連載の発表と、この発言を同一視することはできません。
「岸本斉史先生は引退したのか」「新作を描くのか」と気になる場合は、現在の『BORUTO』における公式クレジットと、新作についての正式な告知を分けて追うことが大切です。
【プロの結論】ボルトの作者交代をめぐる誤解と、情報を見極めるポイント
『BORUTO』の作者交代をめぐる話題では、「作者」「原作」「脚本」「漫画」「監修」という言葉が混同されやすくなっています。とくに、漫画作品では物語の構想を担当する人と、実際に漫画を描く人が異なる場合があるため、単に「作者は誰か」と聞くだけでは制作体制を十分に説明できません。
岸本先生と池本先生の関係を理解するうえで、押さえておきたい誤解は次の3つです。
- 誤解1:2019年に作者が岸本先生へ交代した。 2019年に起きたのは連載誌の移籍であり、制作体制の変更は2020年の第52話が節目となった。
- 誤解2:第52話以降は岸本先生が全話を自分で描いている。 公式クレジットでは池本先生が漫画担当であり、岸本先生自身もインタビューで池本先生がストーリーと作画を担当していると説明している。
- 誤解3:岸本先生が新作への意欲を語ったため、新連載が決定している。 将来描きたいテーマについての発言と、作品名や開始日が公表された正式な連載決定は区別する必要がある。
情報の見極め方はシンプルです。制作体制の変更については当時の公式発表、現在の担当範囲については集英社の単行本情報、実際の仕事の進め方については両者のインタビューを優先します。SNSや考察記事で見かけた説明も、この3種類の情報と照らし合わせれば、事実と推測を区別しやすくなります。
この見方は、作品の評価にも役立ちます。『NARUTO』と『BORUTO』で作画の印象やストーリー展開が異なると感じても、それだけで作者交代の理由や制作上の問題があったと判断することはできません。漫画家それぞれの表現や、作品を取り巻く制作体制の違いも考慮する必要があります。
【ボルト岸本先生】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ボルトは岸本斉史先生が作者なのですか?
A1:公式クレジットでは、岸本斉史先生が原作・監修、池本幹雄先生が漫画を担当しています。岸本先生が作品の原作・監修に関わっていることと、漫画の全ページを直接描いていることは別です。
Q2:ボルトの作者交代は何話からですか?
A2:2020年11月に、第52話をもって制作体制を変更すると公式発表されました。第52話を区切りに、それ以降の連載は岸本先生の原案を基に進める方針が示されています。第52話そのものを単純に「岸本先生が漫画担当になった話」と理解するのは正確ではありません。
Q3:作者交代の理由は何ですか?
A3:公式発表では「当初からの予定に則り」制作体制を変更すると説明されています。具体的な理由として、人気低下や読者の批判などが公式に示されたわけではありません。
Q4:池本幹雄先生は現在も作画を担当していますか?
A4:はい。2026年10月発売の『BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-』第9巻でも、池本先生が著者、岸本先生が原作・監修として記載されています。
Q5:岸本斉史先生は2026年に新作漫画を発表していますか?
A5:パリでのインタビューでは、将来漫画で描きたいテーマについて語っています。ただし、その発言は新作の正式発表とは異なります。新作の有無を判断する際は、作品名や連載開始日を伴う公式告知を確認する必要があります。
まとめ:岸本先生の担当範囲と今後の動向を正しく理解する
「ボルト岸本先生」という検索で知りたいのは、岸本斉史先生が作品にどこまで関わっているのか、そして作者交代がいつ、なぜ起きたのかという点でしょう。
重要な事実を振り返ると、2019年7月には『BORUTO』が『Vジャンプ』へ移籍し、2020年11月には第52話を区切りとして制作体制の変更が告知されました。以降は岸本先生の原案を基に連載する方針が示され、現在の公式クレジットでは岸本先生が原作・監修、池本先生が漫画を担当しています。
加えて、2024年の「KONOHA EXPERIENCE」でのインタビューでは、岸本先生自身が池本先生の担当範囲について説明しました。2026年10月には『TWO BLUE VORTEX』第9巻も発売されており、公式情報からは現在の制作体制を確認できます。
今後の岸本先生の活動や新作の可能性を追う場合も、公式クレジット、当事者の発言、正式な作品発表を分けて見ることが判断の基準になります。岸本先生と池本先生の役割を正確に理解すれば、『BORUTO』がどのような制作体制で続いているのか、より立体的に読み解けるはずです。